眉村卓が妻に捧げた作品「僕と妻の1778話」は主演・草彅剛で映画化!あとがき解説に娘が寄せた言葉とは

眉村卓が妻・村上悦子に捧げた作品「僕と妻の1778話」!あとがき解説に娘が寄せた言葉とは

眉村卓が妻・村上悦子に捧げた作品「僕と妻の1778話」!主演・草彅剛で映画化されていた

眉村卓(まゆむらたく)は、日本におけるSF小説の第一世代としてSF小説ブームをまきおこし、今なお現役で活躍を続ける作家です。社会派SFからジュブナイルまで幅広く手掛ける眉村卓はまた、ショートショートの名手でもあります。それと同時に、余命1年の宣告を受けた妻・村上悦子のために毎日1話ずつショートショートを書き続けた愛妻家でもありました。

妻が亡くなるまでの5年間に書き続けてきたショートショートの中から特に妻から好評だった52篇をおさめた作品は、「僕と妻の1778話」として出版されています。このショートショート作品集「僕と妻の1778話」は、実は2011年に映画化済みで、主演は元SMAPの草彅剛が務め、妻を竹内結子が演じました。

眉村卓が「僕と妻の1778話」のあとがき解説に娘が寄せた言葉とは

眉村卓の「僕と妻の1778の物語」では、実の娘であり、父と同じ作家の道を歩む村上知子が解説を担当しています。村上知子の解説によると、ショートショートを毎日書くという取り組みは、眉村卓が「妻のために少しでも何かをしたい」と始めたものでした。

その一方で、それを受け取る妻・村上悦子の、「自分が闘病生活にあっても書き続けていてほしい」「作家の仕事の支えとなりたい」という思いがあってこそ成り立ったのだったそうです。互いを思いあう両親の深い絆を近くで見守って感じた娘ならではの解説と言えます。

眉村卓の代表作やおすすめ人気書籍は?クマゴローのニックネームでおなじみラジオ番組が人気だった

眉村卓の代表作やおすすめ人気書籍は?映画化作品も多数あり!

眉村卓は、若者に向けたジュブナイル小説の作家としても人気があり、1970年代に発表され、何度も映画化やドラマ化されてきた「ねらわれた学園」や「なぞの転校生」は、SF初心者にもおすすめの作品となっています。本格的なSF作品として名高いのは、1971年から書き続けている司令官シリーズです。1979年に「消滅の光輪」で、1996年には「引き潮のとき」で星雲賞を受賞しています。

眉村卓はクマゴローのニックネームでおなじみ?ラジオ番組が人気だった

1970~1980年代にかけて、ジュブナイル小説の作家として人気を博していた眉村卓は、ラジオのパーソナリティとしても活躍していました。ラジオではクマゴローのニックネームで親しまれていた眉村卓。毎日放送「チャチャヤング」内には、SF作家らしくショートショートコーナーもありました。リスナーから募集したショートショートを眉村卓が選評して朗読するというもので、SFファンから気を熱い支持を受けていたと言います。

眉村卓はSF小説界の鉄人!?カズレーザーのおかげで再ブレイク?

眉村卓は、1934年10月20日生まれなので御年83歳です。小説家デビューが1961年ですからキャリアは60年近くある上、2000年代に入っても作品を発表し続けていることを考えれば、SF小説界における鉄人といってもいいかもしれません。とはいえ、眉村卓が最も多くの読者を獲得したのは1970~1980年代です。その時代に青春を過ごした人にはよく知られた存在であっても、それより若い世代にとっては馴染みの薄い存在になっていたことは事実でしょう。

しかし最近、眉村卓の名がにわかに注目され、再ブレイクするきっかけとなる出来事が起きました。2017年11月16日に放送されたテレビ朝日のバラエティ番組「アメトーーク!」の「本屋で読書芸人」企画でのことです。お笑いコンビ・メイプル超合金のカズレーザーが、眉村卓の「妻に捧げた1778話」を紹介しました。読書家で知られるメイプル超合金カズレーザーが、「夫婦の絆の美しさが全部詰まっている」「とてつもなく泣けます」と本の魅力を力説したことで、眉村卓の名が若い世代にも一気に広がることに。

ちなみに、メイプル超合金カズレーザーが紹介したのは「妻に捧げた1778話」で、ショートショート52篇を収録した「僕と妻の1778話」とは異なる本です。1778話の中からあらためて選んだショートショート19編と、長年連れ添った夫婦のそれまでや、妻の闘病生活についてのエッセイも収録してあり、眉村卓夫妻がどのような夫婦であったかが伝わってくる構成になっています。そのため、一緒に収録されたショートショートを読むと感動がより深まることは必至。

メイプル超合金カズレーザーが、1778話目の最後のショートショートを読んで「15年ぶりに泣いた」と、その感動の深さを力説したほどでした。メイプル超合金カズレーザーの紹介を受けて一気に話題の書となった「妻に捧げた1778話」と「僕と妻の1778話」は、SNS上でも「読んで泣いた」「夫婦の絆に感動した」といったコメントが多数あげられています。

これにより、昨今の出版業界で続いている、佐藤愛子「九十歳、何がめでたい」をはじめとする人生の大ベテランのヒットに名を連ねることになった眉村卓。80代にして新たな読者層を獲得したといえる眉村卓には末永く活躍を続けてほしいものです。

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