ジャスティン・ガトリンは最速ボルトを超えられるか?走り方を検証

2017年7月6日 更新

ジャスティン・ガトリンは最速ボルトを超えられるか?走り方を検証

ジャスティン・ガトリンは人類最速の男ウサイン・ボルトを超えられるか?

ジャスティン・ガトリンは、2004年アテネオリンピック男子100mの金メダリスト。2006年には9秒77の記録で世界タイ記録保持者となり、2016年に行われたリオオリンピックでも銀メダルを獲得するなど、長きにわたって陸上短距離界の第一線で活躍している選手です。

近年の短距離界で王者の座に君臨しているのは、言わずと知れた「人類最速の男」ウサイン・ボルトですが、彼の最大のライバルと言われているのがジャスティン・ガトリン。これまでも、世界大会が開催されるごとに、2人の対決が注目されてきました。現在も、100m・150m・200m競技の世界記録保持者を持つ絶対王者のウサイン・ボルトですが、ジャスティン・ガトリンは、かつて彼に勝ったこともあります。

それは、2013年6月、ダイヤモンドリーグ第5戦のローマ大会。9秒94のタイムで、わずか0.01秒差の僅差で優勝を遂げました。レース後の会見では、「まぐれとは思っていない」と自信をのぞかせています。

ジャスティン・ガトリンの爆発的加速力を生み出す走り方を検証

「弾丸スタート」で知られるジャスティン・ガトリンの早さの秘密に迫ってみましょう。ジャスティン・ガトリンの走り方は、「ストライド走法」や「すり足走法」と呼ばれるもので、スタートから中盤まで圧倒的な加速力を見せるのが特徴です。ポイントは膝の使い方で、あまり足を上げず、重力に逆らわないで滑るように走ることで、驚きのスピードを生み出します。

走行中に腰の高さを上下にブレさせることなく、膝の曲げ伸ばしも抑えることで力のロスを最大限に防いでいることも、スピードを維持することに役立っていると言えるでしょう。そうして生み出される爆発的なスピードに耐えて、前傾姿勢を保ち続ける強靭な体幹も強みです。

ジャスティン・ガトリンのプロフィール!過去のドーピング騒動とは?

ジャスティン・ガトリンの知られざるプロフィールや戦績!

ジャスティン・ガトリンは、1982年生まれで、アメリカのニューヨーク出身です。フロリダ州にあるウッドハム高校から、テネシー大学に進学しました。2003年、22才の時に、イギリスのバーミンガムで開催された世界室内陸上選手権60mで金メダルを獲得すると、2004年にはアテネオリンピック100mで金メダルを獲得し、その名を知られるように。2006年には9秒77と当時の世界タイ記録を達成しますが、直後にドーピング検査で陽性反応が出たことで、2010年までは出場停止を余儀なくされています。

アスリートとして旬ともいえる時期に長いブランクを作る結果となりましたが、復活後の活躍ぶりが尋常ではなかったジャスティン・ガトリン。ロンドンオリンピックや世界陸上で、常に上位に食い込むばかりか、2015年には、33才にして自己記録を更新するなど、いまだ躍進中です。

ジャスティン・ガトリンの復活!過去のドーピング騒動とは?

ジャスティン・ガトリンは過去に2度のドーピング騒動を起こしています。1度目は2001年、19才のとき。2度目の陽性反応が出たのは2006年でした。この時は、2度目ということで処分を免れることはできず、8年間の出場停止処分を言い渡されています。処分が下された時点で、1回目については、持病であるADHD(注意欠陥障害)の治療薬が原因であると主張したジャスティン・ガトリンですが、認められることはありませんでした。

その後、ドーピング調査へ協力することを条件に、出場停止期間は4年間に短縮。その間は、NFLの入団テストを受けたり、ジムの経営に乗り出して破産したり、出身校の陸上部のコーチを務めたりしていたそうです。一度は、そのまま引退するかとまで言われていましたが、2010年、28才の時に処分解除となり復帰。30代を過ぎてもなお自らの限界を超えて走り続ける姿を「ウサイン・ボルトよりすごい」と評価する声もあります。

ジャスティン・ガトリンと最速ボルトは世界陸上で対決なるか?

ジャスティン・ガトリンは、2017年にすでに35才と、陸上選手としては高齢です。しかし、4年間もの出場停止処分を乗り越えた後も、衰えるどころか快走し続けています。2017年5月に、等々力陸上競技場で開催されたセイコーゴールデングランプリにも出場したジャスティン・ガトリン。

男子100mには、ケンブリッジ飛鳥や、サニブラウン・ハキーム、ダークホースとしてすい星のごとく現れた多田修平など、日本の若手ホープも多く参加していました。レースの結果はといえば、勢いよくスタートを切ったジャスティン・ガトリンがそのままぶっちぎって10秒28の記録で優勝!タイムこそ地味だったものの、全く年齢を感じさせない走りで、レースを制しています。

最近は、負傷により練習できない時期が続き、心配もされているジャスティン・ガトリンですが、「最も心身の強さが試されるシーズン」と、自覚も覚悟も十分な様子。2017年8月の世界選手権100mには、ライバルのウサイン・ボルトも出場表明しているので、ぜひ対決を実現をしてほしいものです。このまま世界トップクラスを走り続ければ、40才を越えたスキージャンパーの葛西紀明がレジェンドと呼ばれているように、ジャスティン・ガトリンがレジェンドと呼ばれる日も遠くなさそうです。

関連記事

ページ上部へ戻る