大山淳子の「あずかりやさん」他おすすめ書籍は?新刊著書は「分解日記」!
大山淳子の描くファンタジックな世界「あずかりやさん」他おすすめ書籍は?
大山淳子(おおやまじゅんこ)は、猫好きの弁護士が活躍するミステリー小説「猫弁」シリーズが人気の小説家です。もちろん、他にもおすすめの書籍は多数あります。2013年に刊行された「あずかりやさん」は、どんなものでも1日100円で何も聞かずに預かってくれる不思議な店が登場するどこかファンタジックな作品。
一通の封筒、大切な本、自転車……物を介して浮かび上がる人々の心の内に、癒されると同時に切なくなると評判を集めています。「あずかりやさん」にはまった方には、盲目の店主・桐島がこの不思議な店を開くに至った事情が描かれる「あずかりやさん 桐島くんの青春」もおすすめです。
大山淳子の新刊著書は「分解日記」シリーズ!
大山淳子の新刊著書は、猫弁シリーズに続く人気となりそうな「光二郎分解日記」シリーズの第2弾「光二郎分解日記 西郷さんの犬」です。元理科教師にして、何でも分解して修理するのが得意だけどちょっとボケてる75歳の光二郎と、その孫にして浪人生のかけるが、名(迷)探偵となって謎を解くミステリーになっています。
一口にミステリーといっても、孫と祖父の軽妙なやりとりも楽しいハートウォーミングな物語に仕上がっているので、「猫弁」シリーズが終わって寂しい思いをしていたファンにも喜ばれることでしょう。
大山淳子はシナリオライター出身!デビュー作は「猫弁~天才百瀬とやっかいな依頼人たち~」
大山淳子がシナリオライターから小説家に転向したわけ
しかし、もともとはシナリオライター志望でした。2004年頃からシナリオライターの勉強をスタートした大山淳子は、NHK中四国ラジオドラマ脚本コンクールで佳作、函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞でグランプリを受賞。複数のシナリオコンクールで入賞を重ね、シナリオライターとして仕事をスタートさせますが、なかなか映像化のチャンスをつかめなかったため、小説家に転向を図ったそうです。
大山淳子のデビュー作にして代表作「猫弁~天才百瀬とやっかいな依頼人たち~」
シナリオライターから軌道修正して、2009年頃から小説家を目指して小説を書き始めた大山淳子。そうして書き上げた小説「猫弁 死体の身代金」は、第3回TBS・講談社ドラマ原作で大賞を受賞します。その後、タイトルを「猫弁~天才百瀬とやっかいな依頼人たち~」と改め、2012年に、同作で小説家デビューを果たしました。好評を集めた「猫弁」シリーズは、これまでに5作が発売され、累計40万部を超えるヒットを記録。大山淳子のデビュー作にして代表作となっています。
大山淳子はアラフィフでブレイク!「猫弁」シリーズがついに映画化
シナリオライターを目指すも映像化のチャンスがつかめず小説家となった大山淳子。48歳で脚本家を諦めて小説を書きはじめると、自分の世界観を素直に描いたことによって映像化の機会に恵まれるという幸運が巡ってきました。
小説家デビューを決めた「猫弁」シリーズは、吉岡秀隆主演でドラマ化され、TBSで「猫弁死体の身代金」「猫弁と透明人間」の2作品が放送されています。2018年には、大山淳子の小説「猫は抱くもの」が映画化され、6月に公開されることも決定しました。
「猫は抱くもの」は、孤独を抱えたアラサー女性と、彼女を深く愛し自分は人間だと固く信じるオス猫・良男との心温まるファンタジックな物語。沢尻エリカが、2012年公開の映画「ヘルタースケルター」以来6年ぶりに主演します。
沢尻エリカが演じる主人公は、かつてはアイドルとして芸能界で活動するも挫折して、都会から地方都市に逃げるようにやってきたアラサー女性の沙織。周囲とうまくやれず、浮いてしまう沙織が心を許せるのは、ロシアンブルーのオス猫・良男だけです。良男は、自分を人間だと思い込み、大好きな沙織の恋人として彼女を守ろうと奮闘します。
映画にはもちろん本物の猫も登場しますが、擬人化した猫を俳優が演じ、その心の内を語るという場面も。本作でロシアンブルーの良男を演じるのは、注目のイケメン俳優・吉沢亮です。個性豊かな共演陣には、ロックバンド銀杏ボーイズのボーカルにして、NHKの朝の連続テレビ小説「ひよっこ」での演技で注目が高まっている峯田和伸。その他にも、音楽ユニット水曜日のカンパネラのボーカルのコムアイも出演しています。
このように話題性たっぷりな映画版「猫は抱くもの」がヒットすれば、大山淳子の作品がさらに映像化される機会も増えるかもしれません。最新シリーズの「分解日記」も「猫弁」シリーズのようなヒットとなれば、映像化されることは十分に考えられます。しかも、主人公を75歳のシニアに設定していますから、高齢化社会の現代にはぴったりです。1961年生まれの大山淳子。アラフィフにしてデビューしてブレイクをつかんだ彼女自身も、高齢化社会の星なのかもしれません。