横綱・日馬富士の魅力!スピードで右に出る者なし

日馬富士の魅力!本当は弱い横綱なんかじゃなかった!

日馬富士「愛の戦士」の魅力とは?スピードで右に出る者なし

日馬富士(はるまふじ)は、1984年4月14日生まれ、現在32歳となる第70代横綱です。モンゴル国ウランバートル市出身で、朝青龍、白鵬と並ぶモンゴル出身の横綱として角界を率いています。

朝青龍や白鵬の規格外の強さに比べると、日馬富士は、やや力強さで劣るイメージを持たれがちかもしれません。しかし、得意手は突っ張りや右四つなどで、スピードのある取り組みが魅力のひとつ。俊敏に動き、素早い技で相手のまわしを取る「日馬富士スペシャル」では、そのスピードの速さに自分までついていけず、勢いのまま土俵外まで出てしまうことがあるほどです。

スピーディに動けるのは、日馬富士に高い集中力があるからこそだと言う声も。そんな日馬富士に付けられた愛称が「愛の戦士」。土俵から落ちそうな相手を超スピードで抱きとめるやさしさから来ています。

日馬富士は弱い?!「平成の大横綱」白鵬がレベルを高くしていた

日馬富士は、2012年に横綱に昇進した際に述べた口上の通り、毎場所を全身全霊の精神で取り組み、ファンを楽しませています。しかし、同じモンゴル出身の横綱・朝青龍や白鵬に強すぎるという印象が色濃いせいか、それに比べると、日馬富士の強さが語られることは少ない印象です。とはいえ「平成の大横綱」こと白鵬との過去50戦以上の取り組みで負け越してはいるものの、20勝以上しているのは日馬富士ただ一人。

白鵬は、優勝回数37の歴代1位記録でギネスにも認定されている相手です。高度成長期には「巨人、大鵬、卵焼き」と言われるほど強かった「昭和の大横綱」大鵬でも優勝回数32ですから、いかに白鵬が強いかが分かるというものでしょう。つまり、日馬富士が弱いのではなく、白鵬が規格外に強いというのが正しい見方。横綱昇進がかかった大一番では、白鵬と対戦し、見事勝利を収めてファンを喜ばせていた日馬富士。その強さは疑うべくもありません。

日馬富士は史上初の大学院生横綱!絵の実力も凄かった!

日馬富士は法政大学大学院政策創造研究科に通う大学院生!

日馬富士は、2014年4月に、法政大学大学院政策創造研究科に入学しました。現役横綱が大学院生になったのは史上初ですから、相撲道のみならず、学問においても横綱級といえる日馬富士。法政大学大学院政策創造研究科は、新たな時代に即した政策創造を担う高度専門職業に携わる人や研究者の育成目的とした専門課程です。

常勝が当たり前である横綱としての稽古に加え、大学院生として勉学にも勤しむ生活が大変であろうことは容易に想像がつきます。それでもなお大学院で学び続けている日馬富士は、いかに高い志を持っているかがうかがえるというものです。

日馬富士の趣味は油絵!プロも認める実力の絵とは?

日馬富士の趣味は油絵です。モチーフは、四股名にもある富士山や、木、海といった自然が多く、「僕は悲しい時に絵を描くんです。幸せな時は、色が出ない」という日馬富士。実は、モンゴルにいた頃には美術学校に通い、本格的に絵を学んでいました。15歳のころには、早くも個展を開くほどの実力があったのだとか。

もちろん、絵画コンクールで入賞もしたこともありました。日本でも個展を開いており、日動画廊の長谷川徳七社長は「非常に真面目に取り組まれ、色づかいも面白い。心がこもっている」と日馬富士の作品を絶賛。絵の購入希望が殺到し、初日に7点の絵が売れたそうです。

そうして絵で得た売り上げは、モンゴルで心臓病に苦しむ子供たちを支援するNPO法人にすべて寄付しています。これは、亡き父の「人のために尽くす人間となれ」という教えに従っているから。日馬富士の人間性が伝わってくるエピソードです。

日馬富士が稀勢の里戦の鬼気迫る取り組みでみせた横綱のプライド

2017年3月の春場所の13日目。日馬富士は、久々に誕生した日本人新横綱・稀勢の里との取り組みを迎えました。前日まで全勝を続けていた稀勢の里は、師匠の鳴戸親方以来となる「新横綱全勝優勝」達成も目前。観客の期待も高まりを見せる一方です。対する日馬富士にしてみれば、先輩横綱として、意地でも負けるわけにはいきません。加えて、ここで勝てば、この時点で11勝1敗と好調な同じモンゴル出身の弟弟子・照ノ富士の優勝のアシストにもなるという背景もありました。

なんとしても稀勢の里に土を付けたい日馬富士は、立ち合いから激しくぶつかり合ってがぶり寄り、まさに「鬼気迫る」としか表現のしようのない気迫ある取り組みを見せます。その結果、稀勢の里を土俵下へ投げ飛ばし、見事に勝利しました。場所後は、勢いよく落ちて病院送りとなってしまった稀勢の里を気遣いながらも、「激しい相撲を取ろうと集中した」とコメント。横綱としてのさすがの風格とプライドを見せつけました。

しかし、14日目には、ちょっとしたトラブルも。弟弟子の照ノ富士が、禁じ手ではないものの卑怯な手と言われる「変化」で勝ったことにより、同じモンゴル出身の日馬富士に対してもブーイングの嵐が起こりました。集中しようにもできない日馬富士は、関脇・玉鷲に負け、最終的に10勝5敗の成績に終わっています。

変化を使った照ノ富士に対しては「今日の内容は悪いよ」とチクリと戒めた日馬富士。日本人新横綱の誕生で、「モンゴル勢」対「日本勢」と見る風潮が強まっているようにも思われますが、まさに心技体の揃った日馬富士こそ力士の鑑です。これからも正々堂々と戦い、相撲界を盛り上げていってほしいと思います。

関連記事

ページ上部へ戻る