「BMX」という競技をご存知でしょうか。Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)の略であり、起伏の大きいコースを果敢に走り抜け、そのスピードと順位を競う自転車競技の一種です。なんと時速60kmほどのスピードが出ることもあるそうで、その迫力のあるレース展開に魅了され、海外では絶大なる人気を誇っています。
1970年代にアメリカで始まったとされるBMXは、日本ではまだあまり馴染みがない自転車競技かもしれません。ですがこの度、BMXのフリースタイルが2020年東京五輪の追加種目に加わることが決定し、今後知名度が上がってくることが予想されます。
ここでは、そんなBMX界を賑わせている一人の女子選手を紹介したいと思います。東京五輪に加わったフリースタイルと同じBMXの別種目であるレース競技で、世界トップクラスの実力を備えた畠山紗英選手です。東京五輪への出場有力株と言われる彼女の実情に迫っていきます。
畠山紗英の出身は神奈川県!なんと2歳半の頃から自転車に
日本国内ではまだ知名度の低い自転車競技「BMX」。スタントに使われることが多い、小回りの効く強靭な車体を若い女性ながら乗りこなす、一人のBMXレーサーがいます。1999年生まれの19歳、神奈川県出身。他の追随を許さないBMXレース界のトップライダーとして、にわかに注目を集めている畠山紗英選手です。
小学生の頃から世界を股にかけた活躍で、人々の記憶に残ってきた畠山紗英。初めて補助輪なしで自転車を乗りこなしたのは、なんと2歳半の頃だと言いますから、すでにその事実がこれから始まる伝説を物語っているといってもいいでしょう。3歳の頃から本格的にBMXを始め、なんと4歳の頃にはすでにレースへ参加していたという畠山紗英。小学生の頃には日本国内のレースにおいて優勝を総なめ状態だったという驚くべき素質の持ち主です。
活躍は国内にとどまらず、オーストラリアで行われた世界選手権では当たり前のように優勝。BMX世界選手権では3連覇、2016・2017年のBMXアジア選手権においては女子部門で2連覇を達成と、まさに出るところ敵なしといった状態です。「自分の事を一言で表すと、負けず嫌い。自転車に跨った瞬間にスイッチが入ります」と自身でも語るように、その素朴な見た目からは想像もできないような、前のめりで迫力のある走りを見せます。観客をも魅了する大きなジャンプを得意とし、現在は東京五輪に向けて猛烈にトレーニング中だという畠山紗英。どんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみですね。
そんな畠山紗英の出身高校は、横浜市の私立白鵬女子高等学校です。在学中は、BMXレース選手としての活動内容が同校の公式ホームページでも頻繁に紹介されていました。私立ゆえに、世界大会への出場も多く海外遠征が日常な彼女にとっては、活動しやすい環境だったといえるのではないでしょうか。学校では国際コースに在籍しており、通常から留学生と席を並べ、英語で授業を受けることも多かったといいますから、英語力も相当なものでしょう。BMXレースでの世界を股にかけた活躍を見越して、英語に慣れておくためのコース選考だったのでは?と関係者はみているようです。
BMXを始めたきっかけは父・そして兄の影響
畠山紗英がBMXを始めたきっかけは、父親と2人の兄の影響が大きいと言われています。大きなきっかけなしには、小さな女の子が危険な自転車競技に興味を持つとは考えにくいですから、実際に競技をする家族の姿が相当魅力的に映ったのだろうと想像できます。
父である畠山裕行は、当初、自分がやるのはマウンテンバイクを使用したダウンヒルレースにしようと検討していたそう。ですが継続していくには費用面・管理面ともに多大なる負担がのしかかることがわかり、悩んでいました。そこに、別の家族がとても楽しそうにBMXのレースに参加しているのを見て、「そうだ!自分もこれにしよう!」と決めたといいます。家族の放つ影響は、やはりすさまじいものですね。
かくして3人兄弟の末っ子である畠山紗英も、自然と兄たちの真似をしてBMXレースの世界への足を踏み入れていくことになりました。
女性初のレッドブルアスリートに!畠山紗英の活躍でBMXが大注目
畠山紗英が14歳の頃、なんとあのレッドブルが彼女のスポンサーにつきました。BMXの国内レーサーとしては初の「レッドブルアスリート」として、正式に任命されたことになります。
スポーツ界においてレッドブルがスポンサーを務めるアスリートは、世界的な活躍が目覚ましく今後も大きく成長していくだろうと見込まれたトップ選手のみだと言われています。このことからも、畠山紗英がどれだけ注目されている選手かがわかりますね。
2020年東京五輪での活躍が期待される畠山紗英という有望な若手選手の台頭により、未だ日本国内では影が薄いBMXという競技も、今後どんどんメジャーなスポーツとしてメディアでも多くその名を聞くことになるでしょう。中学生の頃からオリンピック出場を目標に掲げていた畠山紗英が夢の大舞台で実力を発揮し、メダルを手にする日が楽しみです。
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