日野晃博がレベルファイブを超一流ゲーム会社に押し上げるまで!年収は?
日野晃博、レベルファイブの礎は「ドラゴンクエスト」だった!
日野晃博は、人気爆発中の「妖怪ウォッチ」をはじめ、「レイトン教授」「イナズマイレブン」「ダンボール戦機」とヒット作を連発している株式会社レベルファイブの社長兼ゲームクリエイターです。その卓越した制作管理能力とゲームディレクター、アイディアマンとしてレベルファイブを超一流ゲーム会社に押し上げた経緯を追ってみました。
地元九州産業大学在学中に「ドラゴンクエストⅢ」と出会い、ゲーム業界を志すようになった日野晃博。卒業後、複数のゲーム会社を経て「オリジナルゲームを作りたい」との思いを抱き、30歳の時に数人の仲間とレベルファイブを設立しました。当時のレベルファイブはSCE(ソニーコンピューターエンターテインメント)のRPGゲーム下請け開発会社でした。
しかし、2000年に制作したPS2向けのオリジナルRPG「ダーククラウド」が国内外販売数100万本を記録すると、ドラクエの制作会社エニックス(現スクウェア・エニックス)から声がかかり、ドラクエの生みの親である堀井雄二との面通し後、「ドラゴンクエストⅧ」を手掛けることになったのです。
日野晃博がレベルファイブを超一流ゲーム会社にしたクロスメディア戦略!年収は1億円以下?
日野晃博のレベルファイブが注目を集めるようになったのは、国民的ヒット作「ドラゴンクエストⅧ」を作ってからのこと。これによって、これまで「自分の好きなゲームを作ればいい」と考えていた日野晃博に「ドラクエの様なブランドゲームを」という意識の変化が生まれました。
そして生まれたのがニンテンドーDS向けの「レイトン教授シリーズ」です。このヒットの意義はとても大きく、その後に続く「イナズマイレブン」「ダンボール戦機」「妖怪ウォッチ」では、1つのコンテンツから”ゲーム、アニメ、漫画、玩具”などを同時進行させていくクロスメディア戦略を採用。制作形態も”アニメ制作会社&レベルファイブ”というスタイルから、日野晃博自身が企画、設定、基本ストーリー、主要キャラクターを考案するというスタイルに変化していきました。
こうして1作目で110万本売り上げた3DS「妖怪ウォッチ」は、2作目が初週だけで130万本を記録するなど、市場規模2000億円のビッグネームとなり、レベルファイブを超一流会社に押し上げました。ただし、昨年の時点では「年収1億円稼ぐ社長」に日野晃博の名前はなかったので、年収は9000万円程と推定されています。
日野晃博「妖怪ウォッチ」生みの親、その戦略とは?脚本(シナリオ)の評判は?
日野晃博「妖怪ウォッチ」生みの親、クロスメディア戦略の要は妖怪メダル!
日野晃博の「ドラえもんのような普遍的な作品をイチから生み出したい」、というの思いから生まれたのが「妖怪ウォッチ」でした。この作品では前2作で成功させたクロスメディア戦略が踏襲されており、「漫画→アニメ→玩具→ゲーム」の順で売り出されています。
ここで言う玩具とは、専用メダルを入れて遊ぶ、子供をターゲットにした「妖怪ウォッチ」のこと。メダルはガチャポンやゲームポイント、お菓子の付録など様々な方法で入手することができ、役割やレア度による「増やせる楽しみ」を掻き立てます。メダルには3DSゲームソフト、アーケードゲームとの互換性がありますから、「妖怪ウォッチ」の玩具を持っていなくても、通貨の様に使用することができるのです。
ここには、アニメの放映により原作漫画と玩具が飛ぶように売れる、メダルを集めたくなる、メダルで遊べるゲームが売れる、更に親心と親自身の興味が反応するという目論みがありました。また、教育現場に浸透しやすい「ようかい体操」をアニメのテーマ曲に据えることによって、新参アニメキャラに「ドラえもん」の様な国民的定着を図ったのです。
日野晃博「妖怪ウォッチ」脚本(シナリオ)の評判は?
「妖怪ウォッチ」の軸となる脚本は、日野晃博が手掛けています。前作「イナズマイレブン」が、より強い敵が出て来なくては刺激がなくなってしまう、というマンネリに陥ってしまいました。そのため、アニメ「妖怪ウォッチ」は、バラエティ番組の感覚で30分・1話完結のスタイルで制作されます。
キャラクターや脚本作りにおいては、シナリオ会議に現役ママさんを採用したり、連載誌コロコロコミックに寄せられた子供たちの意見を採用するなど、ユーザー目線も忘れませんでした。「学校を休みたいがために体温計をこする」など、等身大の子供象をコントの様に挿入することで、子供たちの「あるある」を呼び、親世代が分かるパロディを取り入れて、大人の共感も誘いました。「妖怪ウォッチ」は、子供だけでなく。広い世代に受け入れられるオモシロ温かい作品であると評判なのです。
ただ、この日野晃博の脚本には「パクリ疑惑」も聞こえてきます。その大半は「パロディ」への苦情と、「あるある」が本当によくある話であるためだと思われます。しかし日野晃博は、この様な批判を真摯に受け止め、二度と繰り返さないように努力しているそうです。
日野晃博「妖怪ウォッチ」映画もメダル効果で絶好調!気になるレベルファイブ新作ゲームは?!
日野晃博率いるレベルファイブの名声は、漫画・アニメ・玩具・ゲームソフトが空前の大ブレイクを期し、2014年の紅白歌合戦も「妖怪ウォッチ」一色に染まるなど社会現象まで作りあげ、最高潮に達しつつあります。2015年12月19日に公開された映画「妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!」も絶好調で、公開最初の土日は、「スターウォーズ最新作」を超える97万人を動員しました。
興行収入78億円を記録した前作と同様に、特典メダル付きの前売り券を100万枚以上売り上げていることが勝因と思われ、再び「妖怪メダル効果」の威力を再認識した気がします。今や、街を歩けば「妖怪メダル」関連の店舗や機器に当たる時代。ファミリーレストランに行っても、サービスエリアに立ち寄っても、アミューズメントパークに遊びに行ってもジバニャンを見ない日はありませんから、これはもう「妖怪ウォッチ」が「ドラえもん」に近い存在になりつつあるのかもしれません。
ただし、「ドラえもん」になるためには、それ相当の年月を、ジバニャンが生き抜く必要があります。次から次へと新たな作品が生まれくる時代ですから、戦略だけは難しいですよね。ここは日野晃博の手腕が試されるところです。ただ、ゲームファンとしては「妖怪ウォッチ」だけではなく、レベルファイブのクロスメディアプロジェクト第4弾「スナックワールド」からも目が離せません。こちらは冒険ファンタジーということですから、是非ドラクエの様な「レベルファイブ(五つ星)」級の国民的RPGに進化を遂げることを期待しています。