今永昇太のストレート球の凄さとは!新人離れした名言まとめ!
今永昇太のストレートは数字に換算しにくいキレや伸びに凄さが!三振も取れるストレートの伸びが強み!
プロ2年目ながら、サウスポーとして高い評価を受けている今永昇太(いまながしょうた)投手。その実力は、今や、将来のベイスターズを担うエースとして期待されているほどで、彼の左腕から投げ込まれるストレートには、数字以上の伸びを感じさせる凄さがあります。
2016年シーズンのルーキーイヤーで、いきなり先発ローテーション入りした今永昇太。22試合に登板して8勝9敗、135回1/3で136奪三振、防御率2.93の成績を挙げました。2017年シーズンは、チーム13年ぶりのサウスポー2桁勝利に到達しています。今永昇太の持ち味であるストレートは、平均140㎞台の球速。150㎞を計測するピッチャーが当たり前の現在、平均140㎞台の球速は決して速いとは言えません。
そんな今永昇太のストレートの凄さの秘密はどこにあるのでしょうか?それは、「腕の振りが緩まず、スピンが利いているから、初速と終速の差がほとんどない。数字に換算しにくいキレや伸び」。このチーム内部での高い評価に、彼のストレートの凄さの理由が集約されていると言えます。
2016年シーズンの奪三振率9.04(リーグ3位)が示すように、三振も取れるストレートの伸びも今永昇太の強みです。そんな今永昇太は、1993年9月1日生まれで、福岡県北九州市出身。身長177cm、体重80kg。左投げ左打ちで、福岡県立北筑高校から駒澤大学を経て、2015年のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズへ入団しました。
今永昇太の新人離れした名言に格式の高さが!人呼んで「投げる哲学者」!
今永昇太は、まるで哲学者のような名言を残すことでも注目を集めています。ファンからは「投げる哲学者」と呼ばれているほどです。将来のエースと目される彼の口から発せられる言葉には、マウンドで披露するピッチング同様、クレバーさと思慮深さがしのばれます。
たとえば、「抑えてくれる今永のために打ってやろうと思われるピッチャーになりたい」。これは、野手としても意気に感じる言葉ですし、何よりもピッチャーとしての強い自覚が伝わってきます。続いては、「いつも現状に満足することなく、探究心を持って野球と向き合いたい。こういった姿勢が、後輩たちに伝わっていくと思う」。ベテラン選手のような風格と信念を感じさせるこの発言は、20代前半の若者が発したものとはとても思えません。
常に高い意識を持って、自分を律していることがよく分かります。そして、「勝つか負けるかを運で片づけるようでは、その先の成長はない」。この名言は、もはや大選手の域という雰囲気すら漂わせています。彼の発する名言を拾ってみると、ズシリとした重みが伝わってくるかのようです。野村克也による「プロ野球指導者に一番求められるのは、言葉で伝えるという能力だ」に従えば、今永昇太は、野球指導者として最高の能力を持っているということになりますね。
今永昇太はドラフトでソフトバンク入りが噂されていた?高校・駒澤時代の成績は?
今永昇太はドラフト前にソフトバンク入りが噂に!左肩の故障で横浜DeNAの単独指名に!
2015年に開かれたドラフト会議で、横浜DeNAから指名を受けた今永昇太。しかし、ドラフト事前予想では、彼の地元・福岡が拠点であるソフトバンクホークスの指名が噂されていました。実際、ソフトバンクの選手は、地元九州出身者が多いことで有名で、スカウトもかなり真剣に調査していたとか。
駒澤大学在学中から「大学ナンバーワンのサウスポー」と高く評価されていた今永昇太は、何よりも先発ローテーションに欲しい人材でした。しかし、いざふたを開けてみると、ドラフトでは、横浜DeNAの単独指名という結果に。噂されたソフトバンクは、150㎞を投げる高校生右腕・高橋純平(岐阜商業)を指名しました。なぜこのような結果になったのかは、チームの育成方針や、さまざまな事情を勘案してのことでしょうが、大学4年で今永昇太が左肩を痛めたという情報をキャッチしたため指名回避したと考えられます。
とはいえ、先発ローテーション入りも計算できる今永昇太の活躍ぶりを見ると、ソフトバンクが逸材を逃した感はぬぐえません。
今永昇太は駒澤大進学後、「大学ナンバーワンサウスポー 」に!
今永昇太が進学した福岡県立北筑高校は、公立の進学校です。この高校を選んだのは、自宅から近いという点が決め手だったと伝えられています。野球に打ち込む目的で、県外の強豪校に越境入学する場合もありますが、彼には当てはまらなかったようです。北筑高校は進学校であるため、勉強のほうが大変で、午後7時半までに下校しなければならず、十分に野球に取り組める環境とは言えませんでした。
平日の野球の練習時間は2時間半までと制限された中で、1年秋から対外試合に登板。高校3年間を通じて、春夏の甲子園出場はかないませんでしたが、3年春の福岡県大会1回戦で14奪三振の成績を挙げ、プロのスカウトから注目されます。駒澤大学へ進学すると、1年春から大学リーグ公式戦へ登板し、2年春のリーグ戦からはエースに定着。3年春のリーグ戦では、3試合連続完封の成績を残しました。
続く秋のリーグ戦では、MVPに最優秀投手、ベストナインの3冠で、チーム26シーズンぶりの優勝に貢献した今永昇太。在学中には、リーグ戦通算46試合登板18勝16敗、防御率2.03に281奪三振という成績を残しています。しかし、大学4年で「大学ナンバーワンのサウスポー」と評価されながら、左肩故障の影響で、春のリーグ戦への登板を回避し、秋のリーグ戦で復帰したものの、調子は上がらずチーム成績は2部降格になりました。そのため、プロ入りに悩んだ時期もあったようですが、現在の安定した活躍ぶりはご存じの通りです。
今永昇太が苦しんだ上半身と下半身のアンバランス!課題はホームで弱くビジターで強い「外弁慶」
2017年シーズンはプロ入り初の2桁勝利を挙げ、このままとんとん拍子に行くと思われた今永昇太。しかし、プロの世界はそう甘くありませんでした。8月17日に挙げた10勝目以来、4試合もの間、勝ちから見放されてしまいます。約1カ月以上の間、成績は2敗と振るわず、苦しいピッチングを余儀なくされました。
なぜそれだけ苦しんだかというと、上半身と下半身のバランスが崩れ、思い描く投球ができなくなっていたからです。ピッチングの際に重点を置くのは骨盤の動きだという今永昇太。彼の理想は、骨盤を一度立たせてから下半身の力を腕へ伝える感覚でした。
しかし、勝利から見放された間は、頭と体のアンバランスに悩まされ、その感覚を取り戻すことができなくなっていたと言います。自分の体の異変に気が付いたのは、2桁勝利を挙げた試合後のこと。上半身と下半身のバランスは微妙なもので、いったん崩れると、元に戻すことは困難をきわめます。今永昇太も、ピッチングフォームのチェックと微調整を繰り返す試行錯誤の毎日が続きました。
しかし、9月24日の阪神戦の先発マウンドで、手ごたえをつかみます。無心で投げる中、骨盤を立たせる感覚を取り戻すことができ、復活に向けて大きな収穫を得たそうです。そんな今永昇太の目下の課題は、本拠地での弱さ克服と言えるでしょう。ビジター球場では、11試合で7勝3敗、防御率1.47と圧倒的に強いですが、ホーム球場の横浜スタジアムになると、13試合で4勝4敗、防御率4.48と苦戦しています。
これでは「内弁慶」ではなく「外弁慶」と言わざるを得ません。ホームゲームで苦戦する要因は、被本塁打の多さです。ビジターでの4本に対して、ホームでは9本と、倍以上の被弾が目立ちます。救いは、クライマックスシリーズファーストステージは、3勝負けなしと有利な甲子園球場が舞台であることです。ファイナルステージに進出した場合の舞台マツダスタジアムは、1勝1敗と微妙な成績ですが、もはや彼の頭の中には、目の前の相手に無心に挑むことしかないに違いありません。「外弁慶」の強みを生かして、ぜひ意識の高いピッチングを見せて欲しいですね。