真山仁「ハゲタカ」シリーズ経済小説が大ヒット!ドラマ・映画化キャストは?

真山仁「ハゲタカ」シリーズ経済小説が大ヒット!ドラマ・映画化キャストは?

真山仁「ハゲタカ」シリーズが大ヒット!経済小説に込められた思いとは?

真山仁(まやまじん)は、大学卒業後、読売新聞岐阜支局の記者として勤務していましたが、1990年に退職し、フリーライターとなりました。そして、2004年に書いた経済小説「ハゲタカ」にて新鋭作家として注目されると、2007年には、NHKでドラマ化が決定。重厚な経済ドラマとして、好評を博します。それ以来、真山仁の「ハゲタカ」は、現代社会に巣食う社会の歪みの部分を描いた作品として、シリーズとして続いていますが、今では累計部数200万部を突破という大ヒットに。

2015年7月に出版されたシリーズ最新作「ハゲタカ外伝 スパイラル」は、いくつもの町工場を自らが取材したことを書いた小説です。中小企業が再生していくためにはどうすればいいのかという真山仁の思いが込められた作品になっています。

真山仁「ハゲタカ」シリーズはドラマ・映画でも大ヒット!キャストは誰?

真山仁の「ハゲタカ」シリーズがドラマ化されたのは、2007年2月17日から放送されたNHK土曜ドラマ枠でした。第1話は、アメリカの投資ファンドマネージャー・鷲津政彦が、ビジネスのために帰国し、以前勤務していた三葉銀行の不良債権をまとめて買い叩くというところから始まります。この鷲津政彦という主人公を演じたのは、大森南朋。三葉銀行の元上司・芝野健夫役が柴田恭兵でした。

他にも、栗原千明、冨士眞奈美、菅原文太など、すばらしい俳優陣が出演し、ドラマを盛り立てています。放映開始直後から注目度の高かったドラマ版「ハゲタカ」は、その後、国内外で数々のドラマ賞を受賞しました。

真山仁「ハゲタカ」シリーズが、ドラマで大好評だったことを受けて、2009年には、同じキャストで映画化もされています。映画「ハゲタカ」の内容は、ドラマが放送された時から4年後の時間軸に合わせてあり、真山仁が続編として書いた「レッドゾーン」がベース。中国やドバイなど、国の境界を越えた壮大なストーリーで、さらなるファンを獲得しました。

真山仁おすすめ小説「マグマ」「コラプティオ」あらすじネタバレ!

真山仁おすすめ小説「マグマ」のあらすじネタバレ!

真山仁の「マグマ」という小説は、朝日新聞の季刊誌「小説トリッパー」に、「マグマの奇跡」という題名で連載されていたもの。2006年に文庫本として出版され、2012年にはWOWOWの連続ドラマにもなった話題作です。「マグマ」の主人公は、外資系投資ファンドに勤務する野上妙子。

休暇明けに出社してみると、所属部署がなくなっていたのに、なぜか野上妙子だけはクビにはなっていませんでした。そして、これまで見捨てられてきた「地熱発電ビジネス」を再生させるようにと、トップからの指示を受けます。研究者や政治家たちのいろいろな思惑がある中で、賭けに出る野上妙子。「マグマ」は、次世代エネルギーの行方をうらなうことがテーマの大型経済小説となっています。

真山仁は、「マグマ」の物語設定には意図があると明かしています。経済小説は専門用語も多いため、素人目線で尋ねる役柄が必要だったため、女性である野上妙子を主人公にしたとか。また、読者に、「地熱発電」や「原子力発電」などについての問題意識を持って欲しいと考えて書いた作品だそうです。

真山仁おすすめ小説「コラプティオ」のあらすじネタバレ!

真山仁の小説「コラプティオ」の主題となっているのは、震災後の原発事故。題名の「コラプティオ」とは、ラテン語で、「汚職」や「政治的腐敗」という意味です。「コラプティオ」のあらすじは、震災後に現れたカリスマ総理・宮藤が、日本再建のために奔走するというもの。日本再建のために行うのは、原子力発電所の輸出産業化を実現することです。「コプラティオ」では、内閣調査官や首席秘書などといった官邸の裏側で働くスタッフたちの様子や、スクープ取材を欲しがるジャーナリストたちの姿などとともに、原発輸出の先頭に立つ宮藤総理の姿が描かれます。

真山仁が、「別冊文藝春秋」で、小説「コラプティオ」の連載を始めたのは、実は、東日本大震災の1年前となる、2010年2月のことでした。奇しくも最終回を迎える前に、本物の震災が起こったことで、小説の設定を変えざるを得なくなったといいます。「コラプティオ」は、原子力発電所の輸出産業がテーマです。

福島第一原発の事故によって反原発の声も高まる中、この小説を発表するべきではないと思ったりもしましたが、それこそが原発問題から逃げることになると考え直したそうです。この先何年か経つと、原子力発電を推進しようとする世界に再び戻っているかもしれません。「コプラティオ」には、この小説を読んだ後で、読者にいろいろなこと考えて欲しい、真山仁のそういう思いも込められています。

真山仁原作のドラマ「巨悪を眠らせない 特捜検事の逆襲」の完成度は「ハゲタカ」を超えた!

真山仁の社会派長編小説「売国」が、2016年10月5日午後9時から、テレビ東京のスペシャルドラマとして放映されました。これまで、NHKで「ハゲタカ」がドラマ化されていますが、真山仁の作品が民放でドラマ化されたのははじめてのことです。ドラマのタイトルは「巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲」。宇宙開発とヤミ献金疑惑にまつわる悪事を暴いていこうとする東京地検特捜部検事の姿を描いているドラマで、主役の東京地検特捜部・検事役は玉木宏が、他にも仲代達矢、相武紗季、奥田瑛二など、豪華キャストが出演しています。

真山仁は、作家生活10周年記念の第1弾として小説「売国」を発表しました。かねてより、「真山仁の小説を映像化するのは困難だ」といわれることも多いため、「売国」のドラマ化も無理に違いないと思っていたそうです。しかし、放送に先立って、ドラマ「巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲」を視聴した真山仁は、原作者であることを忘れるくらいに素晴らしかったと感想を語りました。原作者自身のこだわりや心配を吹き飛ばすという意味では、以前NHKでドラマ化された「ハゲタカ」を超えた作品だと絶賛。スタッフや出演者にも、感謝の意を表しています。

実は、真山仁も、このドラマに裁判長役として出演しています。かなり緊張したそうで、セリフを言い間違えないようにすることだけで精一杯だった真山仁は、「原作者に対するイジメではないか」と笑っていました。しかし、ドラマ出演という経験によって、次は裁判官を主人公にした小説が書けるかも知れないと思ったそうで、そういうところに真山仁の作家魂を見たような気がします。小説というフィクションでありながら、読者が今の日本の現実を考えざるを得なくなるように仕向けてくる、その作風。真山仁の恐るべきペンの力に、今後も期待したいと思います。

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