西山朋佳は女性初のプロ棋士となるかで話題!プロ将棋士になる可能性は?

2020年3月26日 更新

西山朋佳はゴキゲン中飛車と山間飛車得意戦法!強かった頃の鈴木大介と言われている!

西山朋佳のプロフィールと戦績は!プロ棋士と女流棋士って何が違うの?

西山朋佳は日本将棋連盟所属の奨励会員で日本の女将棋士です。大人しそうなルックスとは裏腹に、ゴキゲン中飛車と三間飛車を得意とする力強い棋風で、その女性とは思えない豪快な将棋をから、強かった頃の鈴木大介を思わせると評されています。

西山朋佳が将棋に興味を持ったのは父と3歳上の姉の影響で、5歳の頃に母親に連れられ近所の将棋道場に通ったのが将棋との出会いだったそうです。幼少の頃から対戦相手や練習相手は男性が多かったそうですが、本人もやんちゃだった為男女の壁はあまり感じなかったよう。西山朋佳は将棋の「実力主義のシンプルな世界」が心地良いと語っており、「全ては自分の責任って思えるから気楽なんです」と勝負師の片鱗をうかがわせています。

西山朋佳自身はもともと奨励会に入ろうとは考えていなかったそうですが、中学2年の時に研修会の入会試験を受け、8連勝と好成績を挙げたことで奨励会入りを決断します。2010年に奨励会に入会すると、異例のスピードで昇段していき最年少18歳7カ月で奨励会初段へと昇段。その後2015年12月に女性として2人目、最年少の20歳5カ月で奨励会三段に昇段し、三段リーグで勝ち越し成績を挙げた史上唯一の女性として、女性初のプロ棋士となるか将棋界以外からも注目されています。

ここでプロ棋士と女流棋士の違いについて説明したいと思います。私も将棋に詳しくないのですが、一般的にプロ棋士とは奨励会を勝ち抜いて四段以上になった棋士の事を指します。男女の区別はないのですが、現在まで女性がプロ棋士になった例はありません。

一方、女流棋士は女性のみが参加できる棋戦(女流棋戦)への参加資格を認められたプロ棋士のことを指し、プロ棋士とは別物になります。女流棋士になるにも資格が要り、連盟の場合奨励会の下部組織である「研修会」でC1クラスに上がる必要があります。

女性棋士の奨励会での最高段位は西山朋佳と里見香奈の三段。里見香奈は年齢制限により2018年3月で奨励会を退会しているので、現在西山朋佳がプロ棋士に最も近い存在として注目されています。

西山朋佳がプロ将棋士になる可能性は?女性の三段リーグ勝ち越しの成績を上げた史上唯一の女性!

西山朋佳は現在奨励会の三段なので、女性としてプロ棋士に最も近い存在として期待されています。女性で奨励会三段に位置したことがあるのは西山朋佳と里見香奈の2人だけで、過去の例を見ても奨励会三段に昇段した女性は存在しません。

西山朋佳は年上の里見香奈の後を追うように現在の地位に上り詰めてきましたが、女流棋士としてスタートし特例で奨励会1級に編入した里見香奈とは違い、西山朋佳は最下級の6級からはい上がって来たたたき上げです。里見里香が注目されているので影に隠れがちですが、三段リーグの成績を比較すると寧ろ西山朋佳の方が上回っていることがわかります。

高い実力者がひしめく三段リーグで、「勝ち越し」「5割」を共に達成している女性は西山朋佳が里見香奈を抑えて史上唯一。西山朋佳の中学2年での奨励会入りは通常より遅く周りより不利な立場でしたが、驚異的なスピードで昇段してきた才能とプロ棋士の年齢制限である26歳までまだ時間があることから、プロ棋士入りが有望視されています。

三段リーグを共に闘って来た里見香奈は年齢制限のため2018年3月で奨励会を退会しているので、文字通り西山朋佳がプロ棋士に最も近い女性となりました。西山朋佳のプロ棋士入りは十分可能性があり、プロ棋士入りに留まらず男性と肩を並べる日が来るのも夢ではないかもしれません。

プロ棋士の養成機関奨励会に入り初段を獲得!西山朋佳がプロ棋士を目指すきっかけは?

西山朋佳の実姉はプロ囲碁棋士の西山静佳!姉妹でタイトルも夢ではない!?

西山朋佳の姉はプロ囲碁棋士の西山静佳です。非常に仲の良い姉妹で、共通で一つのTwitterを管理しており、お互いの近況をつぶやいています。

3歳上の西山静佳はもともとは西山朋佳より先に将棋を勉強していたそうですが、アニメ「ヒカルの碁」の影響で「自分の性格には囲碁の方が合っている」と感じ、小学校5年生から大阪市内の関西棋院囲碁学園に通いはじめたそう。一般的に将棋は一匹狼で自己主張の強い人が向いており、囲碁は平和や調和を重んじる人が向いていると言われています。姉妹でも性格は真逆のようですね。

その後西山静佳は14歳で関西棋院の院生になり、本格的にプロを目指し2014年に入団。姉妹揃ってのタイトル獲得を目指して励んでおり、現在は一足先にタイトルを獲得した妹に続くように対戦を積んでいます。勝負師2人を育て上げた西山姉妹の両親は、「娘たちは勝ち負けの厳しい世界に身を置いているが、応援し、楽しませてもらっています」と話しており、幼少時代は「『親が怖いから負けられない』という雰囲気もあった」と、西山朋佳が語るようにかなり熱心に応援していたようです。

周囲からの協力や応援があって2人とも将棋と囲碁を続けて来られたのだと思います。今後、2人の目標である「姉妹でタイトル獲得」が叶う日も近いと思うので、西山朋佳のみならず姉の西山静佳の活躍にも注目して下さい。

西山朋佳がプロ棋士を目指すキッカケを与えた2人とは?

西山朋佳がプロ棋士を目指すキッカケには心を動かされた2人との出会いがあります。一人は女流棋士として活躍しながら、奨励会三段リーグを共に闘った里見香奈。里見香奈は女流タイトル戦36期登場31期獲得と驚異的な強さを誇り、現在も5冠を保持する実力者ですが、四段昇段を果たせずに年齢制限を迎え、2018年3月に奨励会を退会しました。

西山朋佳は年齢が上の里見香奈の後をずっと追いかける立場だったので、里見香奈の退会は道しるべを失ったように感じるのではないでしょうか。里見香奈について「心から尊敬する方」と語っており。退会については「いろいろな感情が沸き上がりました」と複雑な心境を覗かせています。

もう一人は一躍時の人となった藤井聡太七段。一昨年9月に藤井聡太が四段昇段を決めた一局の相手が西山朋佳でした。西山朋佳は「ものすごい気迫を感じて、藤井先生が怖くて怖くてしょうがなかった」と当時を振り返り、「他の人とは違う」藤井聡太の圧倒的な強さや、神の子と呼ばれる所以を肌で感じたそう。

奨励会の三段リーグは半年間にわたって各18局を指し、上位2人だけしか四段に昇段できないいばらの道です。里見香奈の退会で女性は西山朋佳のみとなり、「人からは『殺すくらいの気で戦え』って言われている」というほど追い詰められた状況のよう。時には過呼吸を起こしながら指すもあるほど厳しい戦いですが、「もう少しで糸口が見つかるかな、と思っています」と、どこまでも前向きに考えているようです。今後も自信を持ち続けて頑張って欲しいですね。

西山朋佳が加藤桃子を破り初タイトル!誰もが考えもしない強手で新女王へ!

西山朋佳が2018年5月4日、加藤桃子前女王に挑戦した第11期マイナビ女子オープンの5番勝負を3勝1敗で制し、初タイトルの女王を獲得しました。西山朋佳は「浮かれちゃいけないんだけど、喜びはあります。」と、これまでの努力を振り返り勝利を噛みしめ、「過去の自分の将棋を見ると弱いな~、と思えるくらい変わりました」と、棋力の向上への自信を見せました。

西山朋佳の棋力向上の背景には時代に逆境するような「アナログ化」があり、今までのネット対戦から棋士の先生方に直接、盤を挟んで教えを乞うようになったのが大きいそう。ボコボコにされた後、感想戦で色々指摘されることが力になって、将棋観が変わったといいます。

確かに2014年度の初タイトル戦で加藤桃子にストレート負けした頃とは別人のような力を盤上に表現しており、今までの苦しい対戦が西山朋佳の糧になっているのが分かります。特に今回のマイナビ女子オープンの第2局で指した一手は将棋界に大きな衝撃を与え、「誰もが考えもしない強手」「常識を覆す一手」と絶賛されています。

また、2014年度の初タイトル戦と今回のマイナビオープン戦の消費時間を比較すると、早指しが目立つ前回とは違い、慎重に時間を使っており、今までの「弾丸娘」「暴れ馬」からの脱却を感じられました。前記のような気合の良さや思い切りの良さも西山朋佳の魅力のひとつなので、場面によって慎重さも兼ね合わせられるようになれば今以上に棋力が向上すること間違いないと思います。

現在まで女性のプロ棋士がいないのは、男女の脳の違いや体力的な違いが挙げられていますが、単純に競技人口の差もあると思います。その証拠に同じ頭脳スポーツである囲碁やチェスには女性のトップ棋士も存在しており、こうした事例から頭脳スポーツにおいて性差は本来あまりないと考えるのが正しいようです。

西山朋佳は実力も勝利へのハングリー精神も男性に引けを取っていないので、プロ棋士の素質は申し分ないと思います。今後の西山朋佳の活躍に期待したいです。

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