2020年10月29日 更新
西田敏行 アウトレイジでの”ドs”は演技?素の性格?!
西田敏行 アウトレイジビヨンドの「ドS」演技は本物か
最近の西田敏行は悪役を演じることに意欲的な様子。映画「アウトレイジビヨンド」で癖のある悪役を演じています。しかし、西田敏行がどんなに老獪・冷酷非情の役を力んで演じても、西田敏行本来の善性や滑稽さが役から滲み出てしまい、極悪人のはずが、なぜか憎み切れないキャラクターになってしまう始末。
「アウトレイジビヨンド」における西田敏行のやくざの幹部役は、まさにそれ。これは北野武の狙い通りだったのではないでしょうか。素の性格は本当はドSで、巷の風俗店では知る人ぞ知る有名な話、などという下品な噂もありますが、もし西田敏行が本当にそうだとしたら、悪役を演じたときに、その片鱗はかならず演技に表れるはず。西田敏行は、あえて言うならMといっても過言ではありません。実は「釣りバカ日誌」シリーズに入る前の1986年、映画「植村直己物語」に出演し、7か月にも渡る北極を始めとする5大陸のロケは過酷を極め、本人自ら死を覚悟していたそうですから。
西田敏行 天性のコメディアンとして
俳優のタイプを大きく分けると、2つに分かれるのではないでしょうか。1つは、本人の性格に関係なく、変幻自在に役を演じることができる人。そしてもう1つは、役者である前に、本人の持っているイメージや性格が色濃く役に投影される人。西田敏行の場合は、やはり後者のタイプといえます。
西田敏行。1947年、福島県生まれ、67歳。小さい頃から映画少年で、東京やスターに憧れ、訛りがあっては役者になれないと高校から上京。明治大学に入って本格的に役者をめざします。大学を中退してさっそく劇団を立ち上げますが、これには失敗して、1968年俳優座養成所へ。養成所卒業後、座員となった西田敏行は、1971年「写楽考」で早くも主役に抜擢、演劇界の注目を集めます。その後いくつかのテレビドラマなどに出演しますが、なかなか芽は出ませんでした。
西田敏行を一躍有名にしたのは、1976年、TBSのホームコメディ「三男三女婿一匹」。主演であった大御所森繁久彌を相手に堂々と渡り合い、西田敏行のコメディアンとしての評価が高まります。そして、そのコメディアンとしてのイメージは日本テレビの1978年「西遊記」、そして1980年「池中玄太80キロ」で決定づけられました。その後は、1988年から映画「釣りバカ日誌」も始まり、国民的映画であった寅さんをしのぐ人気シリーズとなります。またNHKの大河ドラマにも数多く出演を果たすことで、知名度と人気を誇る俳優の一人となりました。
西田敏行 病気で激痩せの真相!探偵ナイトスクープ局長も引退?!
西田敏行 肥満、暴飲暴食、ヘビースモーカーぶり
ご存じの通り、西田敏行は、もともと小太りの肥満体質。それに加えて、長年にわたる過酷な俳優生活と、その優しさや気遣いゆえのストレスからか、暴飲暴食、ヘビースモーカーで、体重は増すばかりでした。170cmにも満たないかと思われる身長なのに、噂によるとその当時の体重は100kg越えの直前。
2001年は首の骨が変形して頸椎性脊髄症となり手術。そして、一番心配されたのは、2003年。自宅で心筋梗塞を起こして緊急入院したことで、なんとか一命は取りとめることができました。喫煙量も半端ではなかったようで、共演した女優、吉永小百合からも諭され、一時は禁煙し、体重も減らしています。しかい、最近の様子を見ると、また元に戻ってしまっているようではあります。
西田敏行 「探偵ナイトスクープ」局長は関西人にも大うけ
今年2月、映画「マエストロ!」の大ヒット御礼イベントに出席した西田敏行は、顔がひどくこけ、足を引きずりながら、手すりを支えにやっと登壇しました。ふくよかで快活なイメージしかない西田敏行のあまりの変わりように、世間はびっくり。西田敏行は、再び重大な病気で激やせかと大変心配されました。しかし後日、ひどい風邪と肥満が原因の痛風だろうということで今回は事なきを得ています。
この西田敏行の激痩せ映像が流れたときには早々に、朝日放送「探偵ナイトスクープ」の局長も引退かという噂も出ました。しかし、関西で絶大な人気を誇るこの番組。前任の名司会者、上岡竜太郎の後を次ぎ、2001年から西田敏行が局長になってからも、彼の明るく素直で、涙もろい性格が関西人に受け入れられ、現在も番組は好調です。ですから、今後、西田敏行が病気や激痩せすることがない限り、当分降板はなさそうです。
西田敏行は、「ラブ&ピース」をめざす自らに厳しいドSな性格
西田敏行は、6月末公開の園子温監督「ラブ&ピース」に出演しています。この作品、特撮怪獣映画で恋愛、泣ける映画という摩訶不思議な園子温ワールド全開の映画です。その中で西田敏行は、主人公の長谷川博己、麻生久美子といっさいからむことなく、映画のストーリーテラーとして、下水道に住む謎の老人を演じています。
西田敏行は、映画「希望の国」で福島の原発事故で住む場所を奪われた老夫婦を描いた、園子温監督の反原発に対する熱い思いに、同じ福島県民として強い恩義を感じ、今回の出演依頼を快諾したそう。ちなみに映画「希望の国」は、俳優夏八木勲の遺作であり、がんに侵されながらの壮絶な演技が胸を打ちます。西田敏行は初日の舞台挨拶で、すっかり体調も回復したようで、ドラマ「池中玄太」の劇中歌「もしもピアノを弾けたなら」を披露し、初日を大いに盛り上げていました。
福島県の映画少年が、東京とスターに憧れ上京して、40年。その類まれな演技力とコメディセンスは他の俳優を圧倒し、またミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」など、ミュージカルスターとしての音楽センスも抜群です。しかしそれだけでない何か、西田敏行の人間力といったものが、彼の人気を支えているのではないでしょうか。
また西田敏行は一俳優としてだけでなく、一人の同郷人、一人の日本人として、原発事故にさらされた福島県の復興にも大いに貢献しています。西田敏行は、人に限りなく優しく自分自身に厳しい、そんな意味ではドSな性格なのかもしれません。