沖田総司は新選組最恐の剣士！
沖田総司（おきたそうじ）は、幕末を語るのに欠かせない人物としてあまりに有名ですね。しかし、その人物像や生涯には、まだまだ謎の部分が多く残されています。
9歳の時に天然理心流（てんねんりしんりゅう）の道場・試衛館（しえいかん）を創設した近藤周助（こんどうしゅうすけ）に師事して内弟子となり、剣術に励んだ沖田総司。わずか12歳で白河藩の剣術指南役に勝利し、若くして試衛館の塾頭を務めるなど、その剣術の才能は、まさに天賦のものでした。
1863年2月、沖田総司は京都へ赴く当時の将軍・徳川家茂を警護する目的で作られた浪士組（ろうしぐみ）に参加。同年4月に浪士組が分裂したのを機に、近藤勇らと結成したのが、かの有名な「新選組」です。
沖田総司は、新選組の中で剣術に優れた者を集めた一番隊の組長となり、新選組最強の剣士として恐れられました。その強さは、新選組二番隊の組長・永倉新八（ながくらしんぱち）が自身の遺談で「土方歳三、井上源三郎、藤堂平助、山南敬助などが竹刀を持っては子供扱いされた。恐らく本気で立ち合ったら師匠の近藤もやられるだろうと皆が言っていた」と語っています。
沖田総司が得意としていた剣の技で、特に有名なのは「三段突き」です。常人がひと突きする速さで三度の突きを繰り出すもので、この神速の剣技を武器に、芹沢鴨、内山彦次郎といった幕末の要人暗殺や、池田屋事件などに関わったとされています。
新選組で最も恐れられた反面、沖田総司は明るく冗談が好きで、新選組の詰め所付近でよく子供たちと遊んでいたとも語られており、敵と認識する相手以外には穏やかに接していたようです。
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沖田総司イケメン説はデマ！？写真は？
映画「御法度」、NHK大河ドラマ「新選組！」、アニメ化、実写映画化もされた人気漫画「銀魂」、ゲームでは「Fate/Grand Order（FGO）」「モンスターストライク（モンスト）」「薄桜鬼」など、様々な作品に登場する沖田総司は、その多くで薄命な美青年として描かれています。しかし、新選組に関わった人物が語る沖田総司像は「色黒」「長身」「猫背」などといったもので、いわゆるイケメンを想わせる人物像は語られていません。
また、沖田総司の肖像画としてよく紹介される絵も、実は別人なのだそう。沖田総司の姉・ミツが孫の要を見て「総司にどこか似ている」と言ったことで、1929年に要をモデルにして描かれたものであり、1868年にこの世を去った沖田総司を描いたものではないとされています。
要をモデルに描かれた肖像画も平均的な顔立ちで、沖田総司だと言われたこの絵によって、イケメンのイメージが作られたわけでもない様子。沖田総司を描いた絵や写真の類は今のところ見つかっておらず、現在も真相を突き止めるための研究が行われています。
沖田総司の愛刀は今どこに？
容姿に関する史料は残っていないものの、天才的な剣豪と言われた沖田総司が愛用していた刀に関する記述は残されています。
小説家・子母澤寛の作品「新選組始末記」には、沖田総司の愛刀について「菊一文字細身のつくり」とあり、司馬遼太郎の「新選組血風録」にも「菊一文字」と書かれていることから、沖田総司が愛用していた刀は「菊一門則宗（きくいちもんじのりむね）」だとされる説があります。
しかし、鎌倉時代には当時の天皇・後鳥羽院の命を受けて刀を打つ御番鍛冶のトップだったとされる刀匠・則宗が製作した「菊一門則宗」は当時から国宝級の逸品で、入手できたとしても、その額は大名でも手が出ないほどでした。そのため、沖田総司の愛刀が「菊一門則宗」であるという説は、フィクションとして扱われています。
「菊一門則宗」の他には、「大和守安定（やまとのかみやすさだ）」「加州清光（かしゅうきよみつ）」も沖田総司が差していた刀として有名です。「加州清光」は池田屋事件での激戦により折れてしまい、刀鍛冶にも直せないと言われて捨てたのではないかとされています。「大和守安定」も、沖田総司が使ったとされるものは残念ながら現存していません。
PCゲームから火がついた「刀剣乱舞」の爆発的ヒットによって「刀剣女子」が流行語大賞にノミネートされたことなどもあり、もし沖田総司の愛刀が現代に残されていれば、大変な人気を集めたのではないでしょうか。
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沖田総司の命日は？墓はどこに？
沖田総司は様々な作品でも描かれている通り、若くしてこの世を去っています。命日は1868年7月19日とされていますが、生年月日が明記された史料が見つかっていません。そのため諸説ある生まれ年から、享年は24歳・25歳・27歳のいずれかではないかとされています。
死因は肺結核という説が有力ながら断言できるほどの史料がなく、他の呼吸器疾患であった可能性も否めません。ただ病死であったことは間違いなく、次第に戦いにも参加できないほど病態が悪化していきました。歴史に語り継がれるほどの剣客でありながら、戦いの中ではなく畳の上で生涯を閉じることは、沖田総司にとって万感胸に迫るものがあったことでしょう。
敬愛する新選組局長・近藤勇の後を追うように、その死から2ヶ月後にこの世を去った沖田総司。亡くなるまで、周りの者は近藤勇の死を伝えなかったといわれています。戒名は「賢光院仁誉明道居士（けんこういんじんよみょうどうこじ）」。墓は都内港区元麻布の浄土宗・専称寺にありますが、いつでも墓参できるわけではないようです。
真のビジュアルは定かではありませんが、映像作品ではめっぽう剣の腕が立つ美青年というキャラ設定がもはや定番の沖田総司。司馬遼太郎の同名ベストセラー小説を原作として制作が発表された映画「燃えよ剣」が2020年に公開されますが、本作で沖田総司を演じるのは、Hey! Say! JUMPの山田涼介とやはりイケメンです。
「ラスト サムライ」「わが母の記」「検察側の罪人」「関ケ原」等の作品で知られる監督・原田眞人がメガホンをとる「燃えよ剣」は、V6・岡田准一扮する土方歳三を主人公とした作品で、近藤勇に鈴木亮平、芹沢鴨に伊藤英明、土方の恋人・お雪に柴咲コウと、豪華キャストが発表されています。草刈正雄、武田真治、東山紀之、藤原竜也、賀来賢人、堺雅人など、名だたるイケメン俳優が演じてきた沖田総司の生きざまを山田涼介がどう体現するのか、期待が高まります。
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