2022年5月24日 更新
田中裕子 略奪した夫、沢田研二との間に子どもは?
田中裕子 NHK朝ドラ「おしん」、もう1人の主役として
今、田中裕子は、NHKテレビ小説「まれ」で主人公の祖母役を演じ、その絶対的な存在感で、再注目されています。
若い視聴者にとっては、田中裕子って誰という人も多いでしょうが、田中裕子は一時代を築いた大女優であり、不倫というスキャンダルを越えて今を迎えているベテラン女優です。田中裕子、1955年生まれ、60歳。1978年、明治大学在学中に老舗劇団文学座に入り、翌年には早くもNHKテレビ小説「マー姉ちゃん」に準主役に抜擢。またたく間に、今で言うならトレンド女優のような人気を得ます。さらに1983年、NHKテレビ小説「おしん」の爆発的ブームは社会現象に。東北の寒村で生まれた女性の一代記は、広く世界でも大きな共感を呼び、当時、主人公おしんの子ども時代を演じた小林綾子は、一躍時の人となります。彼女の人気があまりに凄まじかったので、成人したおしんを誰が演じるか、またその役者は大変なハンデを抱えることになるだろうと、ドラマ「おしん」には新たな注目が集まりました。そのプレッシャーを難なくこなし、ドラマの後半を盛り上げたのが田中裕子でした。彼女は国民的女優として不動の地位を得ますが、以後はやみくもに、映画やドラマに出演することはありません。
田中裕子 沢田研二と「危険な二人」は「時の過ぎ行くままに」
そして1987年、田中裕子は大きなスキャンダルに見舞われます。歌手沢田研二との不倫です。沢田研二は、伝説のグループサウンズ「タイガース」を解散後、ソロ歌手としてデビュー。その美貌と人気で、かの木村拓哉のように、美男子の代名詞であった時代です。当時、沢田研二はすでに結婚していました。その妻は、日本の芸能界に輝かしい名を残す女性双子デュオ「ザ・ピーナッツ」の姉、伊藤エミ。二人の間にはすでに1人、男の子の子どもがいました。その男の子は成人して、今では音楽関係の仕事についているそうです。伊藤エミは沢田研二にとって糟糠の妻と言ってよく、1987年二人が離婚した時は、世間や芸能界から、略奪婚として田中裕子が大パッシングを受けますが、1989年、田中裕子と沢田研二は晴れて結婚を果たします。その後は、田中裕子も沢田研二も、芸能界の中央からは一歩離れたスタンスで、お互い俳優として歌手として、独自の活動を続け、その人気と実力は今も衰えることがありません。
田中裕子 今だ色気のある演技とその魅力!朝ドラに呼ばれ続ける理由
田中裕子 おじさんたちを魅了した「タコが言うのよ…」
田中裕子は、デビューまもない頃、TVCMで世の男性たちを虜にします。レトロな着物を着くずし、とろけるようなハスキーボイスで、「タコが言うの…」と甘く語りかけるサントリー樹氷シリーズのCMは、おじさん世代の記憶に今も焼き付いていることでしょう。田中裕子のすごいところは、役柄としてどんな老け役を演じても、本人自身はデビュー当時から今まで、全く老けることがありません。今で言うなら小泉今日子や永作博美のような感じでしょうか。その色気もまた、肉体的即物的な色気ではなく、内面から湧き上がるような、全ての女性が持つ普遍的な色気といったものが感じられます。
田中裕子は、高倉健が見出した理想の女性
田中裕子が持つその独特な色気は、円熟した演技力によってさらに増幅されます。故高倉健は、映画「夜叉」の共演者に田中裕子を指名しました。映画の最後で、主人公の高倉健と別れることになった田中裕子が、高倉健の子を授かったことを確信し、凄艶な笑顔を浮かべるシーンは、高倉健が田中裕子に託した演技の、最たるものだったでしょう。その後も高倉健は、「ホタル」、そして遺作となる「あなたへ」で、田中裕子と共演しています。それは高倉健が田中裕子に、自分にとって理想の女性像を見出したからではないでしょうか。NHKのテレビ小説もまた、その時代時代の理想の女性像を描いているといってよく、「まれ」における田中裕子のおばあさん役は、古いようで新しく、またたおやかでたくましい、今を生きる女性の理想像を描いて、好評なのかもしれません。
田中裕子は、映画ドラマ界に数多くの子どもを持つ偉大なお母さん
田中裕子に関して、オリコンのwebサイトに興味深い記事が掲載されています。池脇千鶴、二階堂ふみ、満島ひかり、少しベテランでは松雪泰子。菅田将暉、向井理、松山ケンイチ、加瀬亮、SMAPの草彅 剛、大泉洋。……今をときめくこれら俳優たちに共通することは何でしょうか。これら俳優は全て、映画やドラマで、田中裕子と親子を演じた俳優たちなのです。田中裕子は、それぞれ全くキャラクターの異なる母親を見事に演じ分け、各作品で、圧倒的存在感を示しています。それら映画やドラマの中で、日本女性の普遍的な生き方や思いを、田中裕子は、単に女優として演技しているのではありません。等身大の女性として表現できることこそが、世代を越え多くの女性たちの共感を得ているようです。例えば、NHKの朝ドラ「まれ」の中で、恋愛に悩む主人公まれに対して、「女の求める愛と男の愛は違う」と、アッケラカンと言い放った彼女のセリフ。思わずうなずいた女性も多かったことでしょう。田中裕子は、かつての音羽信子や森光子などが演じてきた、日本の母親、日本女性を演じることができる数少ない正統派女優として、今後も活躍していくに違いありません。