2018年4月26日 更新
志賀廣太郎の澄んだ低音が魅力的!大学演劇科で演技を教えていた!
志賀廣太郎の澄んだ低音が魅力的!
志賀廣太郎。この数年で、もっとも注目されている俳優の1人でしょう。中肉中背、バーコード頭に眼鏡。丸の内あたりのちょっと上品なサラリーマンといった佇まいの志賀廣太郎は、1944年生まれ。同年齢のオジさんたちよりは、ずっと若く見えます。そして、なんといっても魅力は、志賀廣太郎の声です。澄んだ低音で発せられる台詞は、インテリジェンスに富み、政治や経済、医療などをテーマにしたドラマで、より一層ドラマのリアリティを高めます。
志賀孝太郎は大学演劇科で演技を教えていた!先生から俳優に転身
それもそのはず、志賀廣太郎は、1971年、桐朋学園大学短期大学部専攻科演劇専攻を修了して後、1978年から母校の演劇科で非常勤講師を勤めていて、今なおその職にある大学の先生なのです。そして1990年、演技を教えるだけでなく自らが演ずることを決意し、平田オリザ主宰の「青年座」に入団。志賀廣太郎は、実際の演技歴がまだ15年の中堅役者ということになります。
この経歴から見ても、志賀廣太郎はどうやら演劇一筋の半生で独身を通してきたようで、結婚の事実もありません。また実質的な女性関係も、先生という立場もあってか、表だってはないようです。まさにテレビのイメージ通り、謹厳実直な性格の持主かと思われますが、もしかしたらこの人気のさなかに、志賀廣太郎本人から「実は私の家族です」というサプライズがあっても、それはそれで不思議ではありませんが。
志賀廣太郎は「パフェおやじ」でカルト的人気者に!半沢直樹を降板した?!
志賀廣太郎は「パフェおやじ」でカルト的人気者に
志賀廣太郎が、テレビや映画に出るようになったのは2000年頃からです。特に注目浴びるようになったのは2005年、実は漫画好きの若い女性が、一般の人たちより先に志賀廣太郎に注目しました。
ビッグコミックスピリッツに連載されていた石原まこちんの「THE3名様」が、DVDとして実写化され、そのDVDもオリジナルのキャラクターである「パフェおやじ」を志賀廣太郎が演じました。ごく普通のおじさん、志賀廣太郎がひたすらおいしそうにパフェを食べる姿が、若い女性たちに大うけし、本編からスピンオフした「人生のピンチを救うパフェおやじの7つの名言」までDVD化される人気ぶり。
こうなってくるとネット上には、今の志賀廣太郎と比較して若いころの画像が出てくるものなのですが、不思議とそういう写真は出回っていないようです。志賀廣太郎のイメージは、やはり今のおじさんイメージそのまま。しかし、この時点でも、志賀廣太郎はまだメジャーと言えず、カルト的な人気の域を出ていませんでした。
志賀廣太郎 一度見たら忘れられない名わき役として
志賀廣太郎はその後、様々なドラマに出演するようになり、視聴者に強くその存在を印象付けるようになります。例えばNHK「ハゲタカ」では、主役の大森南朋を黙々とサポートする部下の役を、フジテレビ「医龍2」では医療の理想をめざす院長役。同じく木村拓哉主演の「PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜」では、真摯な工場長役といったように、あのドラマの出ていた人はいったい誰、という印象がかならず残る役者として、やがて各局のドラマでひっぱりだことなります。
話題となったTBSの「半沢直樹」でも、第1回のゲスト俳優として登場。老舗の精密機械会社の社長を演じました。志賀廣太郎は、半沢直樹という男の生き様を伝える重要なシーンで、主人公である堺雅人と迫真の演技を交わし、この作品の人気を決定づけたといっても過言ではありません。この役の存在感があまりに強かったことから、2話以降志賀廣太郎が登場しなかったことに、一部の視聴者が降板と受けとってしまうほど、役者名利の誤解まで生んでいるようです。
志賀廣太郎がドラマ「リスクの神様」で曲者俳優とガチンコ勝負
志賀廣太郎は、ドラマ「リスクの神様」にも出演しています。堤真一演じる企業の危機管理スペシャリストが主人公のドラマで、この数年、注目を浴びる曲者俳優が勢ぞろいしています。堤の相棒に劇団新幹線の怪優、古田新太。「花子とアン」でブレイクしたシェークスピア俳優の吉田鋼太郎は、堤に会社の危機管理を依頼する社長。そして、社長と対立する敵役の専務には、小日向文世。志賀廣太郎は、堤を補佐する危機対策室副室長役で出演します。ちなみにヒロインには戸田恵梨香が、そして、脇には山口紗弥加や森田剛が加わり、さらには大ベテランの田中泯までが登場するという、映画並みのキャスティングです。
また大評判だった、テレビ東京「3匹のおっさん」第2シーズンも好評を博しました。北大路欣也、泉谷しげるとトリオを組んだ志賀廣太郎は、このドラマでは軽妙洒脱な演技で、新たな境地を開拓しています。インテリジェンス溢れる医師や企業エリートのおじさまから、街工場の人情味溢れるおっさん、果てはセーラー服の変態おやじまで、ありとあらゆるおじさんキャラを演じ分けながら、決して知性と上品さを失わない志賀廣太郎は、いぶし銀の名わき役といえるでしょう。