卓球人気は留まるところを知らず、張本智和選手や石川佳純選手、平野美宇選手など、特段卓球ファンではなくとも名のしれた選手は数多くいます。その中でも、若手の注目株といわれているのが芝田沙季という選手です。
1997年生まれの若干21歳、千葉県出身の彼女は、あの石川佳純選手の母校でもある卓球の名門四天王寺高校を2016年に卒業後ミキハウスに入社し、ミキハウススポーツクラブを拠点に活動しています。
芝田沙季は、なんとほんの1年半ほど前まで、世界ランキングの100位以内にも入っていなかったほどの、いわば無名の選手でした。そんな芝田沙季が注目を集めるきっかけとなった出来事とは?芝田沙季という選手について、まずその点から紐解いていきます。
芝田沙季の世界ランキングは?ほんの1年半前は100位圏外
芝田沙季が人生で初めてラケットを握ったのは、6歳の頃。卓球界では遅めのスタートと言われているようですが、その頃から実家・千葉県内の卓球場にて、地道に1日3時間の練習を開始させました。卓球を始めたきっかけは、従兄姉の影響が強いと言われています。
当時から、本人も強く語るほどの「恵まれた練習環境」がありました。平野早矢香選手をはじめ、名だたる社会人の強豪、そして母校となる四天王寺高校でも広く名を馳せた力のある選手ばかりが周りにいる状態。芝田沙季がいつ望んでも、レベルの高い試合をすることができたといいます。そんな環境の中で日に日に力をつけ、更に上のステージへのレベルアップできている自分という存在を実感することができたのでしょう。
そんな芝田沙季の世界ランキングは、2018年3月現在において自己最高位にあたる24位を記録しています。日本国内でみても9位と、大健闘ぶりです。ほんの1年半前までは、世界ランキング100位にも届かない卓球選手だったにもかかわらず、わずか約1年ほどの期間でグングンと実力を伸ばしていきました。
2018年の1月に行われた全日本選手権では、あの平野美宇選手と大接戦。僅差のところで芝田沙季は敗退してしまったものの、試合を観戦していた人たちの目には、くっきりと女子卓球選手・柴田紗希の存在が印象に残ったことでしょう。
中学は地元の千城台南を卒業、高校はあの卓球名門・四天王寺高校
芝田沙季は小学6年生の頃に実家・親元を離れ、千葉市の「千城クラブ」に入部しています。そこで実直に下宿生活を送りながら、大好きな卓球の練習に精を出していきました。中学こそ、地元の何の変哲もない千城台南中学校を卒業していますが、高校は卓球の名門・四天王寺高校を卒業。あの石川佳純選手を排出したことでも知られる、超有名高校です。
今年の芝田沙季の活躍で特に目覚ましいのは、福井県の敦賀市総合運動公園体育館で行われた、第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」での戦績でしょう。準決勝で岡山を制したのち、10月3日に行われた最終日の女子決勝において広島県のチームと対戦。芝田沙季のほか、橋本帆乃香・山本笙子との3人チームで健闘の末、見事に優勝を勝ち取りました。
特にミキハウススポーツクラブ勢の活躍に目を見張るものがあると称されたこの試合は、卓球界の歴史に残る名試合として、今後も業界の語り草になっていくとみられています。
芝田沙季の使用ラケットは?スピン力に優れたプロ仕様
プロの卓球選手が使っているラケットやラバーは、野球選手のバッドやグローブ、陸上選手やサッカー選手のシューズなどに匹敵するほど、卓球選手にとってのラケット・ラバーは商売道具です。トップ選手がどんな質の良いものを使っているのか、気になりますよね。
芝田沙季が使用しているラケットは「クリッパー CR WRB」というもので、値段は約8,500円。そしてラバーの表面は「V>15 Extra」、ラバーの裏面は「ファスタークG1」というもので、どちらも5,000~10,000円と、値段だけでみるとそこまで高価なものではないようです。
まずラケットは、「打球感、珠を打ち返す際の弾みの良さ」、そして「スピード・回転などの安定性」が特徴と言われているそう。卓球界では長く愛されているメーカーで、古くより愛用者の多いロングセラーラケットです。芝田沙季のほか、この「クリッパー CR WRB」ラケットを使っている選手は、シンガポール代表のガオニン、松平志穂、森薗美咲など。日本国内だけではなく、海外でもシェアの多いメーカーのようです。
続けて、ラバー表面「V>15 Extra」ですが、こちらは攻守ともに性能を発揮するバランスの良さが売り。ここぞという時の決定打を打ち込むギアの高さに人気が集まり、同じく使用選手は多いそう。丹羽孝希、吉村和弘などもこのラバーを使用しています。
最後に、ラバー裏面である「ファスタークG1」。名前も印象的なこのラバーですが、表面ラバーと同じく攻撃性に優れた構造設計になっています。高いスピード感、そして繰り出されるスピン力。まさにプロ仕様と言って差し支えないラケットとラバーの組み合わせで芝田沙季の強さの下、支えを担ってくれているのでしょう。
メキメキと頭角を表し、世界ランク24位につけている芝田沙季。Tリーグも始まっている最中、来年にかけての活躍にも注目したいところです。
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