元宝塚歌劇団・花組で娘役のトップを務めていた女優・純名里沙(じゅんなりさ)。宝塚退団後の現在は、その歌唱力を活かして歌手活動に重きを置いているようです。宝塚時代を振り返りつつ、純名里沙の魅力に迫っていきます。
宝塚音楽学校を主席で卒業!
大阪府出身の純名里沙は宝塚に入る前からミュージカルが好きで、アマチュアの劇団でミュージカルの舞台に立っていたといいます。そんな彼女は高校2年生だった1988年に宝塚音楽学校を受験。狭き門といわれる試験に見事合格しました。
純名里沙が宝塚へ入団したのは、1990年。76期生となった彼女の同期には、宙組組長・男役の寿つかさ、花組組長で同じく男役の高翔みず希の他、元星組の娘役トップ・星奈優里、元月組のトップスター・彩輝直らがいます。錚々たる顔ぶれが揃う76期生のうち、トップの成績で宝塚音楽学校を卒業したのは、純名里沙でした。
現役タカラジェンヌ初の朝ドラヒロインに
宝塚へ入団して3年が経った頃、純名里沙は劇団から勧められたオーディションに合格し、1994年4月から10月まで放送されたNHK朝の連続テレビ小説「ぴあの」にヒロインとして出演します。現役のタカラジェンヌが朝ドラの主演を務めた例はなく、極めて異例なキャスティングは世間で大きな話題となりました。
宝塚の舞台を1年間休んで同作の撮影に臨んだ純名里沙は、入団2年目でヒロインに抜擢されるなど高い評価を受けていた歌唱力を披露。透き通るソプラノでのびのびと童謡を歌いあげ、作品の後半には主題歌も担当。ヒロインが主題歌を歌うのも、朝ドラ史上初めてのことでした。
朝ドラの撮影を終えて宝塚の舞台へ戻った純名里沙は、雪組から花組へ異動。1公演を経て1995年6月から上演された「エデンの東/ダンディズム!」から花組娘役のトップに抜擢され、同作がお披露目公演となりました。この時の相手役は、純名里沙と同じく同作で花組トップスターの座に就いた67期生の真矢ミキです。
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およそ1年にわたり花組の娘役トップを務めた後、純名里沙は1996年に上演した「ハウ・トゥー・サクシード」をサヨナラ公演として宝塚を退団。その後は、女優として映画やドラマ、舞台で活躍する他、声優、歌手としても幅広く活動し、2008年4月からNHKで放送されていた英語教育のアニメ番組「リトル・チャロ シリーズ」では、主人公チャロの声優を務めました。
また、2010年4月からはTOKYO FMで月・水・金の朝に放送中のラジオ番組「ジブラルタ生命 Heart to Heart ありがとう、先生!」のナレーターを担当しています。同番組では、学生時代に様々なシーンで先生に言われた“心に残る一言”を基に制作されたオリジナルのショートストーリーを毎回紹介。純名里沙の癒しボイスで読まれるハートフルな物語は好評で、2013年4月には過去の放送を書籍化。2015年2月に第2弾が出版されました。
歌唱力抜群!現在は歌手として活躍中
宝塚歌劇団にトップの成績で入団した純名里沙は、初舞台となった「ベルサイユのばら」で、エトワールを任されます。フィナーレのオープニングで歌うエトワールは優れた歌唱力を認められた娘役が担う大役で、初舞台での抜擢に、彼女の歌唱力に対する評価の高さがわかります。そして、2年目で早くもヒロインにキャスティングされ、群を抜くスピードで娘役トップの座をつかみました。
1996年に宝塚を退団して以降は、女優としてドラマや映画、舞台に出演しながら、2000年以降は年に1本ペースでコンサートを開催。純名里沙の女優活動は国内のみに留まらず、2001年7月には香港で制作された映画「慌心假期/Midnight fly」に出演。主題歌も担当し、翌2002年に現地の「金馬奨」最優秀主題歌賞を受賞。助演女優賞にもノミネートされ、彼女の歌唱力、演技力は世界に通用するものであることを証明しました。
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国際的な活躍より人の心に寄り添う歌手に
中華圏において、アカデミー賞に匹敵する栄誉ある映画賞「金馬奨」での受賞により、アジア全土を股にかけて活躍の幅を広げるチャンスをつかんだ純名里沙。しかし、近年は映像作品で見かけることがなくなり、オーケストラと共演するような規模の大きいコンサートも開いていません。
メディア出演がなくなったのは活動休止などではなく、歌手として地に足をつけた活動を続けていきたいと考えるようになった純名里沙の方針転換によるものです。彼女にとって大きな転機となったのは、2011年3月に発生し、各地に甚大な被害をもたらした東日本大震災でした。
震災により一時は活動の意欲が薄れたものの、次第に「今こそ歌いたい」という思いが強くなり、自らアコースティックバンドの元を訪れてオーディションを志願。今ではライブを開く会場探しなども自身で行っているのだそう。宝塚時代から応援するファンの中には、数十名規模のライブハウスなどで純名里沙が歌うことに反対の声もあるようですが、それでもスポットライトもなく、一切のごまかしがきかないライブで歌うことには、色々な学びがあるのだといいます。
華々しい活躍にこだわらず、聴く人の心に届く歌を歌うことに力を注ぎたいという純名里沙は、根っからの表現者なのでしょう。彼女の透明感のある歌声が、多くの人の心に届く活動が続けられるよう応援したいですね。
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