「髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けていきたい」
一度聞いたら忘れられないインパクトを誇るバンド名「Official髭男dism」(オフィシャルヒゲダンディズム)には、そんな意味が込められています。
シングル曲「Pretender」「宿命」「イエスタデイ」がストリーミング再生回数でトップ3を占めるなど、現在破竹の勢いで活躍中の彼ら。今回はそんな「Official髭男dism」について紹介します。
◆愛称:ヒゲダン
◆メジャーデビュー:2018年4月11日
◆メンバー:藤原聡、松浦匡希、小笹大輔、楢﨑誠
◆所属事務所:ラストラム・ミュージックエンタテインメント
◆レーベル:ポニーキャニオン
地元島根でバンドを結成するも、葛藤する日々があった
Official髭男dismは、彼らの地元である島根で結成されました。しかし、結成に至るまでにはある葛藤があったといいます。それは、地元を飛び出して関東や関西の大学で音楽をやるという選択と、地元に残るという選択です。
ボーカルと作詞作曲も担当する藤原聡(ふじはらさとし)も、ギターの小笹大輔(おざさだいすけ)も、もともと東京でバンドをやりたかったのです。それこそ「有名なミュージシャンが、東京のあの大学を出ているから自分も出たい」という理由から、東京の大学に進学することも考えていました。
しかし結局2人とも島根にとどまることを選択。藤原聡は島根大学へ、小笹大輔は松江工業高等専門学校へそれぞれ進学することとなります。島根大学内で藤原聡がドラマーの松浦匡希(まつうらまさき)、ベースの楢崎誠(ならざきまこと)と出会ってバンドを組み、高専に通っていた小笹大輔に声をかけてOfficial髭男dismは結成されました。
今はこの選択に後悔はしていませんが、バンド結成当初は上京して音楽をやることに思いを馳せる時期があり、「自分たちはなぜこの街で音楽をやっているんだろう」と、イメージと現実の落差で悩んでいたりしたこともありました。というのも、東京に出て「バンドで飯を食っていくんだ」と腹をくくって上京した友人のライブを見たり、音源を聴いたりすると、何馬身も差をつけられてしまったような感覚を覚えたからです。
夏休みに島根に帰省した友人の「東京ではこんなことを経験した」「こんなバンドのライブを見に行った」という話を聞くたびに、「自分が行きたかった国立大学に進学して、勉強したかったこともちゃんとできている」と、現状に満足していると強がっていたといいます。そしてその強がりを無駄にしたくないという思いから、周囲の誰よりも一生懸命に音楽に取り組みました。
藤原聡は「強がり続けた自分に夢が追いついてきて、現実になったんじゃないかなと思っています。強がることが恥ずかしいとは、思わないでほしいな」と当時を振り返っています。
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Official髭男dismメンバーの音楽ルーツを探る
Official髭男dismは世間で「ピアノPOPバンド」と形容されますが、その強みはブラックミュージックをルーツに様々な音楽ジャンルを取り入れ、ポップスとして昇華しているところにあります。それはひとえに、彼ら一人ひとりの音楽的趣味がバラバラだったことが功を奏したとも言えるでしょう。
ボーカルの藤原聡は、物心ついた頃からピアノ教室に通っていました。ピアノを続けたらゲームを買ってもらえるというご褒美に釣られて通っていたので、「通わされていた」といったほうが近いかもしれません。小学生時代にはドラムにハマり、ピアノを続けながらドラムも始めます。
そして彼が高校3年生になると、故マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー映画「THIS IS IT」と、ONE OK ROCKの4thシングル「完全感覚Dreamer」に出会って衝撃を受け、ボーカリストとして歌いたい、曲を作りたいという思いが募り、Official髭男dismではボーカルを務めることになりました。
ギターの小笹大輔はもともと松任谷由実やKANの曲が好きでしたが、彼の兄がパンク好きでギターを始めていたことをきっかけに、小笹自身もギターを弾き始めます。一時期は学校へ行かずにギターを弾いていた時期もあったそうです。ギタリストとして目覚めてからは、青春パンク直撃世代ということもあってHi-STANDARD、TOTAL FAT、ロードオブメジャー、MONGOL800、175R、太陽族などに傾倒していきました。
ドラムの松浦匡希は、ランドセルの中にいつもCDウォークマンを入れている小学生でした。小学生の頃に聴いていたのは、ORANGE RANGE。中学に入ると、ギターをやっている友人から「ドラムをやらないか?」と誘われ、雑誌の裏で紹介されていた激安の楽器屋でドラムを買い、本格的に練習を始めました。当時はレミオロメンやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどをコピーしていたといいます。
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ベースの楢崎誠が音楽を始めたきっかけは、中学の音楽の授業で友人と一緒にアコースティックで弾き語りをしたこと。それが思いのほか評価されたことが嬉しかった楢崎誠は、高校に進むと弾き語りをした友人と一緒にバンドを組み、ベースをやることに。しかも同時に吹奏楽部にも所属しており、そこで譜面を読む力を身につけます。大学進学後はジャンルにこだわらず、人に勧められるものを全て聴くようになりました。
このように、全員にとって共通する音楽ジャンルはロックであるものの、それを本流にしつつピアノや吹奏楽を嗜んだり、マイケル・ジャクソンを経たりといろいろな寄り道をしています。そしてその寄り道こそが、Official髭男dismの音楽を奏でる上で、なくてはならないものとなっているのですね。
Official髭男dismの目標は紅白出場
藤原聡はこれからの活動について、「ずっとやっていたいので。とにかく長く続けるということが一番の目標、一番大きな夢だと思う」と述べつつ、当面の目標は紅白歌合戦の出場と断言しました。
その理由は、彼が営業マンとして働きつつバンドをやっていた時代、あるお客さんに「アタシたちは紅白とかテレビに出てくれないと分からないよ!」と言われたから。多くの人たちにOfficial髭男dismの音楽を届けるにあたって、今なお紅白歌合戦の力は絶大です。一人でも多くの人々に彼らの音楽を知ってもらうためにも、紅白出場を目指して音楽活動を頑張り続けています。今後の彼らの活躍に期待したいですね。
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