2020年3月25日 更新
ハシビロコウは本当に動かないの?どんな鳥?
◆学名:Balaeniceps rex(バラエニケプス レクス)
◆和名:ハシビロコウ
◆英名:Shoebill・Shoe billed Stork・Whale headed Stork
◆生息地:中央熱帯アフリカ
「動かない鳥」として人気のハシビロコウ。度々テレビ番組で取り上げられるのに加え、「けもフレ」の略称で知られる「けものフレンズ」など、人気アニメにも登場することで数年前から注目を集めていますが、一体どんな鳥なのか、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
ハシビロコウは、ペリカン目ハシビロコウ科ハシビロコウ属に分類される鳥類です。南スーダンやコンゴ、ルワンダなど、中央熱帯アフリカの淡水の沼に生息しています。暑い国に生息している鳥なのですね。
大型の鳥類で、高さは110~140cmほど、大きいハシビロコウだと150cmほどまで成長することもあるそうですが、意外にも体重は軽く、5kg前後。羽色は青みがかった灰色で、木靴のような巨大なくちばしが特徴的です。
そんなハシビロコウは各言語で様々な名前があり、和名の「嘴広鸛」は「嘴(くちばし)の広いコウノトリ」、英名のShoebill(シュービル)は、「靴のような嘴(くちばし)」という意味です。そして学名の「Balaeniceps rex(バラエニケプス レクス)」は、ラテン語で「クジラ頭の王様」という意味だそう。世界のハシビロコウの名前を見ると、海外の表現豊かな文化が垣間見えますね。
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夜行性のハシビロコウは、昼間はヨシやパピルスなどの草の間で休んでいます。とてもゆっくりとした動きで、動きを止めることも多いため「動かない鳥」として知られています。昼間に行く動物園では夜行性で動きもゆったりとしているため、なかなか行動的な姿を見られません。
そんなハシビロコウですが、動く時は動くのです!稀に興奮することがあり、その際は元いた場所から100~150mも飛ぶことがあるのだそう。また、「クラッタリング」と呼ばれるくちばしを打ち鳴らす行為をすることもあります。くちばしをたたき合わせるように激しく開閉して大きな音を出すもので、仲間とのコミュニケーションツールとして使われるそうです。
食べ物は魚を好み、獲物を狙う時も大きくは動かず、じっとしている時に足元を通りかかった獲物をくちばしで加えて捕食します。食事をする時も動かないほどのハシビロコウが動く瞬間に出会えた時は、ラッキーですね。
掛川花鳥園のハシビロコウ・ふたばちゃんが人気!飼育係のお兄さんが好きすぎる?
そんなハシビロコウですが、ブームの火付け役となったのは、静岡県掛川市にある掛川花鳥園のふたばちゃんです。動かない鳥として有名なハシビロコウですが、ふたばちゃんは動くハシビロコウとして有名なのです。体長110cm以上ある大きなハシビロコウが飛ぶ姿は圧巻で、羽の風圧を感じるほどダイナミックな飛翔姿を見せてくれます。
これだけでも十分ですが、魅力がそれだけに留まらないのがふたばちゃんです。飼育員にかなり懐いており、飼育員の挨拶にお辞儀をして反応を示すほど。自分の気に入らないエサが出されると首を横に振って「いらない」という意思を示し、お気に入りのエサを出すと、パクッと食べる姿がとてもチャーミングです。
また、エサを食べきってしまった後はショボンと首をもたげ、残念そうな素振りを見せます。飼育員が「もうないよ?」というとまた首を横に振り、まるで子どもが駄々をこねるようです。
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そして何よりもふたばちゃんの可愛らしいところが、数いる飼育員の中でもイケメンのお兄さん飼育員に恋をしているところです。
そのイケメンお兄さんがエサやりに来ると、くちばしをカタカタと鳴らすクラッタリングで愛情表現をしだします。お兄さんが来るまではじっと動かないのに、お兄さんが来ると急に動き出すなんて、まるで恋する少女のようです。飼育員のお兄さんも、そんなふたばちゃんに愛情深く接しており、そのさわやかなルックスも相まって、ふたばちゃんとセットで人気なのだそう。
恋するふたばちゃんですが、実は驚くことに最近まで性別が判明していませんでした。ハシビロコウは外見で雌雄判別が困難なため性別が不明だったものの、ふたばちゃんの公開から3周年となる2019年7月にDNA鑑定をしたそうです。その結果、掛川花鳥園より公式に「ふたばちゃんはメス」と発表されました。恋するふたばちゃんが予想通り女の子だったというのは、なんだか微笑ましいニュースですね。
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ハシビロコウに会える動物園はどこ?
単独行動を好む習性もあって繁殖が難しく、絶滅危惧種に認定されているハシビロコウ。そんな貴重な鳥を実際に見られるなんて嬉しい限りです。日本ではどこで会えるのか調べてみました。
ハシビロコウを見られる動物園は先ほど紹介した掛川花鳥園を含め、全国で8ヶ所ああります(2019年10月現在)。まず、静岡伊東市の伊豆シャボテン動物公園。同園には、ハシビロコウの英名「Shoebill」から名付けられた「ビル」がいます。推定年齢49歳以上というビルは世界最高齢のハシビロコウで、2019年4月には来園38周年の記念イベントが行われました。
ジャイアントパンダの赤ちゃん「シャンシャン」で話題を集めた上野動物園(東京都台東区)には、オスの「ハトゥーウェ」、メスの「サーナ」「アサンテ」「ミリー」と国内最多の4羽が飼育されており、掛川花鳥園と同様に、よく動くハシビロコウとして人気です。また、高知県立のいち動物公園(高知県香南市)は、オスの「ささ」とメスの「はるる」、千葉市動物公園(千葉県千葉市)も、オスの「じっと」、メスの「はるか」の二羽を飼育しています。
神戸どうぶつ王国(兵庫県神戸市)では、アフリカの湿地を模した広い池で自由に過ごすハシビロコウの姿を観察できます。2018年3月に那須どうぶつ王国(栃木県那須郡那須町)の王国タウン内にオープンした「WET LAND」は亜熱帯の森を再現した広大な屋内施設で、ハシビロコウをはじめとした様々な動物たちが放し飼いにされており、間近で迫力ある写真を撮ることもできます。
松江フォーゲルパーク(島根県松江市)内の南国ムード満点なトロピカルエイビアリーに新しく仲間入りしたオスのハシビロコウは一般公募で名前が募集され、4500通を超える応募の中から、2019年9月に「フドウ」と名付けられました。
このように、ハシビロコウは各地の動物園にいますので、ぜひ会いに行ってみてください。どちらが先に動くか、ハシビロコウと根比べをしてみるのも面白いかも?
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