「おやすみカラスまた来てね。」はヒモ男が主人公のラブコメディ!いくえみ綾が仕事しすぎ!!

「おやすみカラスまた来てね。」の新たないくえみ男子はヒモ男!クセになるラブコメディ

「おやすみカラスまた来てね。」に登場する新たないくえみ男子はヒモ男!ちょっと不思議なラブコメディ

「おやすみカラスまた来てね。」は、少女漫画を中心に数多くの人気作品を手掛けている人気漫画家いくえみ綾(いくえみりょう)の作品で、小学館の「月刊!コミックスピリッツ」で不定期連載されています。

いくえみ綾は、イケメンでかっこいいけれど、周りにいてもおかしくはないリアルな男性キャラクターが「いくえみ男子」と呼ばれ人気を集めている漫画家。そんないくえみ綾が「おやすみカラスまた来てね。」で描いているのは、ヒモ男子です。十川善十(そがわぜんじゅう)は24歳で無職。

恋人と半同棲生活を送っていましたが、フラれてしまいます。失意の善十がたどり着いたのは、一軒のバーでした。雰囲気に魅了され、ここで働かせてほしいと言う善十に、マスターは翌日履歴書を持ってくるようにと告げます。しかし翌日、店を尋ねた善十の前に現れたのは、マスターの娘である九重一葉で、マスターは1週間前に亡くなったと言いました。

あまりに不思議な巡り合わせに、この店を継いでくれるよう、善十に頼み込む一葉。こうしてバーのマスターになった善十と、彼を取り巻く女性たちの恋の駆け引きが始まります。

「おやすみカラスまた来てね。」の主人公ヘタレヒモ男子と取り巻く4人の女性はどうなる!?

「おやすみカラスまた来てね。」は、ひょんなことからバーのマスターとして働くことになった善十と、客や取引先、元彼女といった女性たちとの恋の駆け引きを描いていきます。いくえみ綾作品では「いくえみ男子」と呼ばれる男性キャラクターが注目されることが多いですが、本作の魅力は、むしろ、ヘタレ男子を取り巻く女性キャラクターにあると言えるでしょう。

マスターの娘・一葉や元彼女の女性紅央、取引先の生花店の娘・白木美温と前マスターのファンで同業者の長窪汐の4人が、善十と深く関わっていきます。彼女たちの考え方は非常にリアルで、読者の女性たちが共感できる部分も多くありますが、恋愛に関してはどうかというと、作中で積極的にアピールしてくるのは美温。

おっとりとしているように見えて、隠れてはっきりと物を言う、裏表のあるタイプです。美温と善十はお付き合いを始めますが、バレンタインデーに、美温が元カレとヨリを戻すという形で恋は終わりを迎えました。破局に至るあまりにも鮮やかな美温の手腕は必見です。

「おやすみカラスまた来てね。」は女性から見たヤキモキ感もツボ?いくえみ綾プロフィール

「おやすみカラスまた来てね。」は女性読者なら分かるヤキモキ感もツボ?

「おやすみカラスまた来てね。」の主人公でヘタレ男子の善十は、「ヤキモキさせられながらも、人間味があって伸びしろがある」と、多くの女性読者から受け入れられている様子です。善十は、ちょっとお人好しで感受性が豊かな上、人の話を聞くことができるという美点も持っているので、心配しながら見守ってしまう読者も少なくありません。

不出来な後輩や弟、息子といった気持ちで見ている方も多いのではないでしょうか。同時に、読者の心配を一身に受ける善十の恋の行方も気になる「おやすみカラスまた来てね。」。いくえみ綾の代表作品にはドロドロ恋愛劇が多いこともあってか、時々不穏になりつつもゆるさのある展開を、「緊張感なく楽しめる」という感想も見られます。

「おやすみカラスまた来てね。」のいくえみ綾は中学時代にデビュー

「おやすみカラスまた来てね。」の作者・いくえみ綾は、1964年10月2日生まれで、北海道の出身です。中学1年生の時から漫画の投稿を始め、1979年に、集英社「別冊マーガレット」にて「マギー」が掲載され、漫画家デビューを果たしました。中学生で漫画家デビューをし、高校に通いながら漫画の執筆を続けたいくえみ綾は、「POPS」や「I LOVE HER」「潔く柔く」「プリンシパル」など、10代の少女を主人公にした作品を数多く発表し、人気を不動のものに。

近年は、「あなたのことはそれほど」といった大人を主人公とした恋愛劇も多く発表しています。いくえみ綾というペンネームは、「天然コケッコー」などで知られる漫画家くらもちふさこに影響を受けていたことから、くらもち作品の登場人物から取ったとか。そのペンネームと「ここまで長く付き合うとは思っていなかった」と、インタビューで語っています。

「おやすみカラスまた来てね。」も連載中のいくえみ綾が仕事しすぎ!

「おやすみカラスまた来てね。」でも注目を集めるいくえみ綾は、1979年にデビューした、キャリアの長い漫画家の1人です。デビューから数年は活発に活動するものの、キャリアを重ねるにつれて執筆ペースが落ち着いていくベテラン漫画家も少なくありませんが、いくえみ綾の場合は「仕事しすぎなのでは」と話題になっています。

現在、いくえみ綾が抱えている連載は3本!小学館の「月刊!コミックスピリッツ」で「おやすみカラスまた来てね。」を不定期連載している他、「FEEL YOUNG」で愛猫との生活を4コマで描いた「そろえてちょうだい?」も連載中。女性向け漫画webサイト「スピネル」では、食べ物にまつわるコミックエッセイ「おいしいかもしれない」も連載しています。

2017~2018年にかけては、ドラマ化もされた話題作「あなたのことはそれほど」や、自宅でエステサロンを営む女性と娘2人が暮らす家に、元夫が浮気をしてできた子供が訪ねてくるところから始まる「私・空・あなた・私」。婚約破棄された女性が通う、大人のバイオリン教室での人間模様を描いた「G線上のあなたと私」や、「太陽が見ている(かもしれない)」もあったので、計7本もの連載を抱えていたことになります。

不定期連載も含まれるとは言うものの、これだけの作品を同時進行するというのは並大抵のことではありません。いくえに綾自身も、「体力的にしんどいので本数を減らしていきたい」とコメントしていますが、最長で3~4カ月しか休んだことがない様子。今でも「漫画を描くことが幸せ」と感じるそうなので、本人の思った通りに執筆量を減らしていけるかというと難しいかもしれません……。

さらに、2018年6月25日には「G線上のあなたと私」の4巻が発売され、2019年にはデビュー40周年という節目を迎えるため記念アニバーサリー本の制作も進められているなど、相変わらず大忙しないくえみ綾。ファンにとっては嬉しい限りで、「おやすみカラスまた来てね。」でも、また新たないくえみワールドが展開されていくことを期待したいです。

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