杉原愛子が目指すは東京オリンピックでのメダル獲得!持ち前の明るさでチームを優勝に導いた体操選手

2019年10月18日 更新

2018年末に所属していた朝日生命体操クラブを退部し、2019年1月より兵庫県西宮市にある武庫川女子大学体操部に入部した杉原愛子(すぎはらあいこ)。それも全ては10月にドイツ・シュツットガルトで開催される第49回世界体操競技選手権大会で入賞し、東京オリンピックの出場権を獲得するためでした。

東京オリンピックでメダル獲得を目指す体操選手・杉原愛子について紹介します。


杉原愛子のプロフィール
◆生年月日:1999年9月19日
◆出身:大阪府
◆身長・体重:150cm・40kg
◆所属:武庫川女子大学

夢見る15歳、ジュニア選手権で総合優勝を果たす

杉原愛子が「世界選手権やオリンピックに出たい」と語ったのは、15歳の頃でした。体操に打ち込む姉の姿に刺激を受けた彼女は、4歳から体操を始めたといいます。そんな杉原愛子の素晴らしい才能の片鱗は幼少時から見えはじめており、幼稚園児ですでに鉄棒の逆上がりをマスターしていたそうです。

小学4年生で「羽衣体操クラブ」に入団。国内外で活躍する体操選手が多数所属する名門クラブで、体操人生を本格的にスタートさせます。練習でも試合でも、誰よりも大きなかけ声を出すのが杉原愛子の持ち味。「自分が調子が悪い時に励ましてもらえると頑張れる。自分がうれしいことは他の人にもしてあげたい」と彼女は言います。

杉原愛子の名が世に出るきっかけとなったのは、2014年の第13回アジアジュニア体操競技選手権大会。そこで団体戦優勝と個人総合2位という好成績を収めます。それは奇しくも彼女が「世界選手権に出たい」と語った2ヶ月後のことでした。

同年の全日本ジュニア体操競技選手権大会では、見事に個人総合優勝を果たした杉原愛子。夢の実現に向けて着実に駒を進めていきます。

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リオ五輪では48年ぶりの団体4位入賞に大きく貢献

2015年に高校へ進学した杉原愛子は、同時にヴォラーレ体操クラブに移籍。東大阪市の自宅から電車で1時間かけて、クラブのある岸和田市まで週6日のペースで通うというハードな生活に突入します。

平日は毎日21時半まで約5時間の練習をしていたのだそう。その成果もあって、高校生の杉原愛子は跳馬・段違い平行棒・平均台・床運動の4種目をこなせるオールラウンダーに成長。彼女を突き動かす原動力は「なんでも自分が一番にできないと嫌」という、“超”がつくほど負けず嫌いの性格でした。

同年5月のNHK杯体操選手権女子個人総合の初優勝を皮切りに、7月には日本代表としてアジア体操競技選手権に出場。4種目全てにおいて安定した演技を披露した杉原愛子は、団体総合優勝に貢献すると同時に個人総合でも優勝、初の国際タイトルを獲得します。

その後の活躍は多くの方がご存じの通り。16歳という若さでリオデジャネイロオリンピック日本代表として世界と戦う舞台に立ち、1964年の東京オリンピック以来48年ぶりとなる団体4位入賞に大きく貢献しました。

当時の女子日本代表メンバーの平均年齢は18歳と、非常に若いチームながらも全員が実力を遺憾なく発揮できたのは「明るく、元気に」というモットーのおかげ。そのモットーを体現し、チームのムードメーカーとして「行けるよ!」「ガンバ!」と場を盛り上げたのが杉原愛子でした。

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東京五輪で「スギハラ」は見られるか?

体操の世界では、オリンピックや世界選手権などの国際大会で新技を披露すると、技名にその選手の名前がつけられるのが通例となっています。杉原愛子は2017年モントリオールで開催された体操世界選手権の平均台で、E難度の「足持ち2回ターン」を披露。国際体操連盟はその技に「スギハラ」と命名しました。

新技「スギハラ」をひっさげて狙うは2020年の東京オリンピック出場。リオオリンピックで団体4位になり、世界で勝負できることがわかった今、あとはいかにしてメダルを獲得するか。本人もメダル獲得を意識しており、あと1歩のところでメダルが獲れないことに対し、「東京では絶対にメダルが獲れるように、という気持ちは強いです」と意気込みを語っています。

そのためにも、まずはオリンピックの日本代表に選出されることを目指している杉原愛子。2019年10月4日からドイツで開催された世界選手権の代表枠を獲得するべく、全日本選手権4位入賞をはじめ、2019年8月に行われた全日本学生選手権の個人総合で見事初優勝。全日本選手権の個人総合で見事初優勝。9月の全日本シニアでは2位と安定した成績を収め、ドイツ行きの切符を手にしました。

ニュー杉原愛子に乞うご期待

2018年末に朝日生命体操クラブを退部し、兵庫県の武庫川女子大学体操部に所属。活動拠点を東京から地元の大阪に戻した杉原愛子。2020年8月の東京オリンピック開幕まで1年を切った中での拠点変更は、異例中の異例といえます。

しかし、杉原愛子本人としては「家族と生活を共にし、安心して練習に励みたい気持ちが強かった」「同世代の仲間と目標に向かってチャレンジをしたい」という気持ちがあってのこと。移籍に関しても非常にポジティブに捉えており、本人曰く「ニュー杉原愛子を見てほしい」と、意欲満々です。

世界選手権では団体で11位に入り、日本の体操女子は東京オリンピックの代表出場権を獲得しました。リオオリンピックでの雪辱を晴らすべく、東京オリンピックでのメダル獲得を目指す「ニュー杉原愛子」の活躍から、まだまだ目を離せそうもありません。

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