つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」手塚治虫作品のパロディ漫画は手塚プロダクション公認!
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」手塚プロダクション公認のパロディ漫画がすごい!
「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」は、作者のつのがいがTwitter上に発表していた漫画作品です。これを、手塚治虫の長女で手塚プロダクション取締役の手塚るみ子が読んで絶賛!そして、スカウトされたつのがいは、手塚プロダクションと契約し、公式の作画ブレーンとなりました。
現在は、手塚治虫の絵柄での初音ミクなども担当しています。本作は、漫画の神様とも呼ばれる手塚治虫作品「ブラック・ジャック」のパロディ漫画で、絵は、手塚治虫本人が描いたかのようなクオリティの高さ。2017年1月25日に発売されたコミックスも話題を呼び、品薄になる人気ぶりでした。
しかし、内容は、キャラクター崩壊と言って差し支えないほど、原作から大きく変更されています。とはいえ、原作をないがしろにしているわけではなく、良質な笑いへと変化させているところが最大のポイント。むしろ、手塚治虫作品への大きな愛を感じさせます。
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」画力高すぎすてもはやイタコ!公認作家までの意外すぎる道のり
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」を語るうえで外せないのは、やはりその高い画力でしょう。どこからどう見ても手塚治虫本人の作品にしか見えないため、もはや手塚治虫本人が乗り移っている「イタコ漫画家」ではないのかと噂されるほどです。
職場の労働環境が悪かったことから仕事を辞めたある日、ふらりと入った文具店でつけペンを発見したことで、つのがいの運命は変わります。小さなころに絵を描くことが好きだったこともあり、漫画のキャラクターが描けたら一発芸みたいで面白いかもと、インターネットで漫画のキャラクターを検索。そこで手塚治虫作品と出会いました。
実はそれまでは、漫画を描いたことはおろか、読むことすらあまりなかったというつのがい。手塚治虫の絵を真似て描くうちに、線のスピードやリズムに違いがあることを発見します。そうしたところを真似たことで、より手塚治虫の絵に近づいたとか。もともと自分自身の絵のタッチというものがないため、そういった依頼があると困るそうです。
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」登場人物と爆笑エピソード!
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」は登場人物の性格が違いすぎる?
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」は、手塚治虫の「ブラック・ジャック」のパロディ漫画。オリジナルとの大きな違いは、現代を舞台にしていて、スマホやTwitterなどが登場することや、キャラクターの性格です。原作となる手塚治虫の「ブラック・ジャック」は、医療と生命がテーマとなっています。
主人公の、唯一無二の腕を持つ無免許天才外科医ブラック・ジャック(通称BJ)こと間黒男は、クールで飄々としていますが、内には己の仕事に信念と情熱を持っているキャラクターです。その他には、幼児のような無邪気さと嫉妬深さを持つBJの助手ピノコや、安楽死を推奨する医師ドクター・キリコなどが登場します。
それが「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」になると、キャラクターは一変。ネタによって多少異なりますが、BJはゆとりな貧乏医師、温和なドクター・キリコに、ツッコミ要員のピノコなど、原作の持つシリアスさやキャラ本来の性格は行方不明という状態になっています。
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」現代アイテムも使いこなす爆笑エピソード!
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」は、文字通り、「こんな『ブラック・ジャック』だったら……」という想像を描いたパロディ漫画です。主人公のBJだけでなく、登場キャラクターたちは、もれなく皆性格が変わり、TwitterやLINE、プリクラなど、現代的なツールも絡めたネタが満載されています
。たとえば、足長補正機能のあるプリクラを使用して遊ぶネタでは、前方に立つドクター・キリコが、足長ならぬアゴ長に。どうにかアゴを隠そうと修正するBJが、やけに冷静で笑いを誘います。また、時には、BJが、ブラックではなく、ホワイトになることも。「ホワイト・ジャックにありがちなこと」というネタでは、ブラックではなくホワイトなため、凄腕のクリーニング店主だったらという設定の妄想が繰り広げられました。
「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」では、時にはインド映画のように手術室で踊り、コピーバンドを組もうとしてもめるなど、さまざまな「IF」設定の笑える妄想を楽しむことができます。
つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」同様にパロディ作家が大抜擢!日ペンの美子ちゃん完全復活!
かつて、アニメ「ルパン三世」のルパン三世役を担当していた山田康雄が亡くなった際、ものまねをしていた栗田貫一が抜擢され、現在まで活躍していることは広く知られています。つのがい「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」もまた、手塚治虫の原作に酷似した絵が話題となり、手塚プロダクションの公式作家に抜擢され、コミックスが大ヒット。真似をしていた人が本家に認められ、さらなる成長を遂げるという姿が、より多く見られるようになりました。
少女漫画雑誌を購入していたことがある人ならば、一度は見た覚えがあるであろうあのペン習字講座のキャラクターも、パロディ作家を迎えてリニューアル!受講者が3割も増えるなど、ヒットする結果となっています。日本ペン習字研究会のキャラクター美子ちゃんがペン習字の宣伝をする「日ペンの美子ちゃん」は、主に漫画雑誌の裏表紙に1ページの描きおろし漫画を掲載してきました。
ここ10年間は掲載していませんでしたが、満を持しての復活に際して作者に選ばれたのが、服部昇大です。1970年代の少女漫画風の絵を得意としながらも、絵柄とは正反対の不条理ギャグを描く漫画家として活動しています。同人誌即売会で、「日ポン語ラップの美ー子ちゃん(びーこ)ちゃん」というパロディ漫画を発行していた過去のある服部昇大。
これは、もちろん「日ペンの美子ちゃん」のパロディで、美子ちゃんが、ラップの知識やネタを披露するというギャグ漫画です。ラップという現代ネタを扱いながらも、絵柄は古き良き1970年少女漫画というギャップも笑いを誘います。また、服部昇大は、実写映画やアニメ化も話題となった「テラフォーマーズ」(貴家悠原作、橘賢一作画)のパロディ漫画「今日のテラフォーマーズはお休みです。」の作者としても知られています。
このように、パロディ作家が広く受け入れられている時代、つのがいは、「刀剣乱舞-ONLINE-アンソロジーただいま帰還!」にも寄稿するなど、手塚治虫作品以外のパロディ漫画も執筆中です。Twitterでは、映画「君の名は」や、アニメ「プリキュア」のキャラクターの手塚治虫風の絵が見られることも。もちろん、「#こんなブラック・ジャックはイヤだ」も定期的にアップしているので、かなり多忙である様子ですが、これからの活躍にもますます期待が高まります。