湯浅政明監督「夜は短し歩けよ乙女」は2017年必見アニメ!異彩放つ表現力とは?

湯浅政明監督「夜は短し歩けよ乙女」は2017年必見アニメ!異彩放つ表現力とは?

湯浅政明監督「夜は短し歩けよ乙女」は2017年必見アニメ!「四畳半神話大系」ファンにもオススメ!

湯浅政明の監督作品「夜は短し歩けよ乙女」が、2017年4月8日から、全国の劇場で絶賛公開中です。原作は、森見登美彦の名前を世に知らしめた人気小説。発売から10年経った今、満を持しての劇場アニメーション化となりました。

原作の「夜は短し歩けよ乙女」は、京都を舞台に繰り広げられる、黒髪の乙女と先輩を中心にしたストーリー。四季を織り込んだオムニバス形式となっていましたが、映画では、それらを一夜にまとめるという大胆なアレンジが施されています。森見登美彦×湯浅政明監督のタッグは、2010年に制作されたテレビアニメ「四畳半神話大系」でも見ることが可能です。

今回も、キャラクター原案が中村佑介で、脚本は上田誠という、「四畳半神話大系」と同じ布陣で制作されているため、クオリティの高さは折り紙付き。キャスト陣には、主役の先輩役を星野源、黒髪の乙女役を花澤香菜、学園祭事務局長役に神谷浩史、パンツ総番長役にロバートの秋山竜次など、バラエティ豊かなキャストが揃いました。

その他にも、「四畳半神話大系」と共通の登場人物である樋口師匠や羽貫さんも登場し、「四畳半神話大系」ファンならば、より一層楽しめる作品になっていると言えそうです。

湯浅政明監督の異彩放つ表現力とは?「湯浅節」について

湯浅政明監督は、アニメーション化する原作をリスペクトしつつも、自身ならではのアイデアを融合させ、オリジナリティあふれる唯一無二の作風を生み出すことに成功しています。大胆なデフォルメや、独特なキャラクターの動き、斜めに歪んだ独特なレイアウトや、絶妙で美しい色彩バランスなど、映像の力を最大限に利用した湯浅政明監督ならではの演出手法に付けられた呼び名は「湯浅節」。監督作品のレビューでは、よく「『湯浅節』全開の唯一無二の作品」などと使われているのが”それ”です。

下から見上げたり見下ろしたりするシーンで空間を歪ませて広く見せたり、手足の長さを通常とは異なるバランスに描くことで、状況や感情を表現したりします。劇場作品の場合は、劇場の大きなスクリーンで観ることにより、さらに大きな効果を生むことになるのでしょう。

湯浅政明監督デビュー作「マインド・ゲーム」の評価!プロフィールは?

湯浅政明監督デビュー作「マインド・ゲーム」の評価!実写も組み込まれた実験作?

湯浅政明の監督デビュー作品「マインド・ゲーム」は、かなり実験的な作り方がされています。原作はロビン西の漫画で、脚本は湯浅政明監督自らが担当。キャストには、舞台となる大阪の雰囲気を出すために吉本興業の芸人を多数起用しており、今田耕司が主演を務めました。

”湯浅節”と呼ばれる独特なデフォルメやカメラワークは、このデビュー作からすでに確立されています。その一方で、「できるだけラフに、一見いい加減に作ったように見えるけれど、よく見るとちゃんとしている」と語っている通り、上品にまとめずに、原作の勢いをそのまま生かすような作り方も特徴的です。

描写も、2Dや3Dのみならず、シーンによっては顔写真を使用し実写のように見せるなど非常に斬新。その結果、アニメーションの枠を超えた爆発的エネルギーに満ちた作品だと評価され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞をはじめとした数々の賞に輝きました。

湯浅政明監督のプロフィールは?国内外で高い評価!

湯浅政明監督は、1965年3月16日生まれの52歳。九州産業大学芸術学部美術学科を卒業後、アニメ制作会社の亜細亜堂へ入社。テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」において、本編原画や、初代のオープニングテーマ「ゆめいっぱい」、エンディングテーマ「おどるポンポコリン」の作画も担当しています。フリーになった後は、「劇場版クレヨンしんちゃん」の1作目から現在に至るまで、設定デザインや原画などを担当。「マインド・ゲーム」と「四畳半神話大系」の2作で、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞しているだけではありません。

ファンタジーアニメ「アドベンチャー・タイム」シーズン6で、湯浅政明監督が監督から原案・脚本・絵コンテすべてを手掛けた1話「Food Chain」が、アメリカのアニー賞で監督賞にノミネートされるなど、国内のみならず海外でも高い評価を受けています。

湯浅政明監督から2017年は目が離せない!初オリジナル劇場作品「夜明け告げるルーのうた」について

2017年は、湯浅政明監督による劇場アニメーション2作品の公開が決定しています。公開中の「夜は短し歩けよ乙女」。そして、5月19日からは、湯浅政明監督初となるオリジナル劇場作品「夜明け告げるルーのうた」が公開予定です。湯浅政明監督は、この作品を作る最初の出発点が、同調圧力が蔓延する現代、「心から好きなものを、口に出して『好き』と言えているか?」という疑問だったとコメント。天才と呼ばれる湯浅政明監督が本当に描きたかった物語だという「夜明け告げるルーの歌」には、今、各方面から大きな期待が寄せられています。

「夜明け告げるルーのうた」の舞台は、大きな壁がそびえたつために、たとえ真昼であっても太陽の光を拝めない日無町。心を閉ざした少年カイが、人魚のルーと出会ったことで、大きく世界が変わっていく青春ストーリーです。声優陣は、カイ役が下田翔太、ルー役が谷花音、ルーのパパ役が篠原信一となっています。また、2017年3月には、漫画家・永井豪のデビュー50周年を記念して、湯浅政明監督が、名作「デビルマン」をよみがえらせました。

それが、Netflixオリジナルの新作アニメ「DEVILMAN crybaby」。2018年初春には、全世界190カ国で全世界独占配信されることも発表されています。2016年の劇場アニメ作品連続ヒットの勢いで、アニメーション監督が注目を浴びることが増えてきた昨今。その中でも、立て続けに映画が上映され、監督作品が全世界に向けて配信される湯浅政明監督は、今最も熱い注目を集めているアニメーション監督と言っても過言ではないでしょう。今後も湯浅政明監督からは、目が離せそうにありません。

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