スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)と錦織圭の相性、過去の対戦成績は?
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)に錦織圭が勝てるのは相性のせい?
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)は、2016年11月現在、マレー、ジョコビッチに続いて世界ランキング3位を誇る、スイスのプロテニス選手です。そのすぐ後ろを追う、日本の錦織圭との対戦は、2016年のATPツアーファイナルでも大きな注目を集めました。グランドスラムでの初優勝を狙う錦織圭にとって、4強の打倒は絶対条件となる課題です。
そんな中、大きく負け越しているマレーやジョコビッチに比べ、これまでのスタニスラス・ワウリンカとの対戦では、ほぼ互角の成績となっています。かたやスタニスラス・ワウリンカには、グランドスラムでは、マレーと並ぶ3回の優勝歴の持ち主。ここが世界ランク5位の錦織圭とスタニスラス・ワウリンカの違いであり、世界のトップ選手揃いのトーナメントを勝ち抜く力の差といえるでしょう。
それにもかかわらず錦織圭が比較的勝ててしまうのは、スタニスラス・ワウリンカとの相性が良いからという見方があるようですが、過去の対戦成績を見ると、一概にそうは言い切れないものがあります。
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)vs錦織圭、過去の対戦成績に見る真の実力とは
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)と錦織圭は、2016年11月に行われたATPツアーファイナルでの対戦を加えると、過去に7回戦っています。初顔合わせとなった2012年には、2戦交えており、いずれもセットカウント2-0で、スタニスラス・ワウリンカの圧勝に終わりました。
ところが、2014年の全米オープンで、スタニスラス・ワウリンカは、錦織圭に初黒星を喫することに。その内容は、スタニスラス・ワウリンカが第2、3セットを落とし、4セット目で挽回したものの、最終セットで、驚異の粘りを見せた錦織圭に押し負けるといったものでした。
2015年の全米オープンでは、3-0で完勝し、力の差を見せつけたスタニスラス・ワウリンカ。先の敗戦は、相性云々によるものではなく、かねてから問題視されていた長丁場を戦うスタミナ不足と、メンタルの弱さが表出してしまった結果だと考えられなくもありません。
その後、スタニスラス・ワウリンカが優勝した2016年の全米オープンでは、準決勝で対戦した錦織圭を、セットカウント3-1で下しています。しかし、同年のロジャースカップ、ATPツアーファイナルと2度のストレート負けを食らった結果をみると、相性説を通り越して、形勢逆転の予感さえします。両者のうち、ここからは、精神力を高く保ったほうが、抜きん出ることとなりそうです。
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)はバックハンドが強烈!身長体重、プロフィール
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)の片手バックハンドは現役テニス選手ではピカイチだった!
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)に対する錦織圭の追い上げに目を奪われがちですが、やはり現時点では、伝説の4強・BIG4を脅かす第一人者であることに変わりはありません。そのスタニスラス・ワウリンカ最大の武器といえば、片手から放たれる強烈なバックハンドです。
通常のバックハンドは、両手でラケット握って放たれるショットですが、片手で行うことによってリーチが格段に伸び、テイクバック時のコースが読みにくくなります。また、スタニスラス・ワウリンカの場合は、通常のバックハンドよりパワーダウンしてしまいがちな片手バックハンドでも、スピードボールを連打することができます。
BIG4と呼ばれるフェデラーも、片手バックハンドの名手ですが、現役では、スタニスラス・ワウリンカほどバックハンドの巧い選手はいないと言われるほどです。そうかと思えば、実はフルスイングのフォアハンドが決め球という点も、スタニスラス・ワウリンカの恐ろしさです。
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)の身長体重!世界トップ選手になるまでの経緯は?
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)は、身長183cm、体重81kg。身長178cmの錦織圭に比べると、恵まれた体格ではありますが、身長190cm前後のマレーやジョコビッチと並ぶと小柄に見えてしまうことに、世界の壁を感じさせられます。スタニスラス・ワウリンカは、1985年3月28日、農場で働くドイツ人の父と、スイス人の母の間に生まれました。
兄の影響で8歳からテニスを始めたスタニスラス・ワウリンカは、全仏オープン男子シングルスジュニア部門で優勝を飾った2003年、18歳でプロ入りしています。2年後には、4大大会で世界ランク10位の選手を撃破し、その翌年にはツアー初優勝。2008年に世界ランク10位入りを果たすと、同年に開催された北京オリンピックでは、フェデラーと組んだ男子ダブルスで金メダルを獲得しています。
飛躍の年となった2013年には、世界の8強が出揃うATPツアーファイナルへ初出場を果たし、翌年の全豪オープンで、4大大会で初優勝を飾ったスタニスラス・ワウリンカ。当時、1大会で、ナダルとジョコビッチ両選手に勝利した者はおらず、BIG4の呼び名が生まれた2005年以降で、該当選手以外がグランドスラムで優勝したのも2例目という快挙でした。
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)を追う錦織圭!いずれもBIG4にはほど遠く……
スタニスラス・ワウリンカ(バブリンカ)は、2016年シーズン最終戦・ATPツアーファイナルの初戦で、世界ランキング5位の錦織圭にストレート負けしました。ワウリンカと錦織圭は、共に同じ第1リーグのマレーに敗北しており、世界トップの洗礼を浴びています。
しかし、完敗を喫したスタニスラス・ワウリンカに対し、王者を3時間20分にも及ぶ死闘へと追い詰めた錦織圭には、海外メディアの賞賛が鳴り止みませんでした。その後の錦織圭の乱調もあり、世界ランキング3位で今シーズンを終えることができたスタニスラス・ワウリンカですが、来シーズンには、錦織圭との入れ替わりがあるかもしれないと各誌が伝えています。
2016年の全豪オープンで優勝したことで、残るウィンブルドンを制すると、テニス界史上9人目のグランドスラム大会制覇を達成するスタニスラス・ワウリンカ。マレー、ジョコビッチと、現在、怪我でランキングを落としているフェデラー、ナダルを加えたBIG4の仲間入りも囁かれましたが、本人が「その資格はない」と語っています。
実は、スタニスラス・ワウリンカには、グランドスラム、ATPツアーファイナルに次ぐ規格である、マスターズ1000大会では1度しか優勝経験がありません。錦織圭には優勝経験はなく、それに対して、BIG4の面々は2桁勝利を飾っているという厳しい現実が横たわっています。
しかし、2016年シーズンのATPツアーファイナルでのスタニスラス・ワウリンカは本調子ではなく、プレーの質は確実に上がっているともいわれているようです。それが確かならば、世界を認めさせる実績を積んでいくだけの余力は十分。後を追う錦織圭と共に、BIG4を脅かす存在として、テニス界の歴史を塗りかえてくれる予感がします。