山田康雄のルパン、クリントイーストウッドがいまだに愛される理由とは?栗田貫一が息子に声優をオファーしていた!?

山田康雄のプロフィールを紹介!


山田康雄のプロフィール
◆生年月日:1932年9月10日
◆没年月日:1995年3月19日
◆出身:東京都
◆身長:167cm
◆血液型:A型
◆所属事務所:テアトル・エコー

俳優・声優・司会・ナレーターなど幅広い活躍をし続け「やすべえ」という愛称で親しまれていた山田康雄は、1932年9月10日に東京都で生まれました。子供の頃から映画が大好きで、高校生の時には毎日授業をサボってまで映画館に通うほどだったといいます。

1953年、劇団民藝の試験に合格したことから、早稲田大学を中退して入団。しかし、あまりの厳しさから1年で退団し、フリーランスとなります。その後、1958年に劇団テアトル・エコーに入団し、同年8月に初舞台を踏みました。

声優としての一歩を踏み出したのも、1958年です。初めて声優の依頼がきたのは、ヒッチコック劇場の吹替えでした。しかし、本番直前のテスト中に監督から突然降板を言い渡されます。それまで口の動きにあわせてセリフを言えば良いだけと軽く考えていた山田康雄は、この出来事をきっかけに自分の甘さを認識し、声優業にも力を入れ始めます。

1959年に海外ドラマ「ローハイド」でクリント・イーストウッドが演じたロディ役の吹替えを担当した山田康雄は、この作品で一躍有名になります。その後も様々な作品のアニメや海外作品の吹替えなどで声優としても活躍。中でも特に有名となったのが、おなじみの「ルパン三世」シリーズです。

また、俳優業も順調で多数のドラマ・映画・舞台に出演し、司会者を務めるなど幅広い活躍をみせました。しかし1993年頃から体調を崩した山田康雄はカリウム欠乏症で歩くことさえ困難になり、晩年は車椅子でスタジオの収録にやって来るほどの状態でした。

そして1995年2月17日、脳出血により自宅で倒れ、病院に救急搬送された山田康雄は意識が戻らないまま、3月19日早朝に62年の生涯を閉じました。

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山田康雄とルパンとの出会いは?

山田康雄の代名詞ともいえるほどの当たり役となった「ルパン三世」。同作の主人公・ルパンと山田康雄の運命的な出会いは、所属していた劇団テアトル・エコーの舞台「日本人のへそ」上演に向けて、役作りをしている時でした。

役作りに苦労していた山田康雄に、同劇団の代表であり、彼を劇団に誘った熊倉一雄が役作りの参考にと渡したのが、当時「漫画アクション」で連載中だった「ルパン三世」でした。

この時に初めて同作を読んだ山田康雄はストーリーの面白さにたちまちハマり、自分で「漫画アクション」を購入しては、役作りにルパンのキャラクターを取り入れるように。そして迎えた舞台本番。客席には、演出家のおおすみ正秋がいました。

当時、ちょうどテレビアニメとして放送する「ルパン三世」のルパン役を探していたおおすみ正秋は、舞台を観て「ルパンがここにいる」と思うほど自分の考えるルパンのイメージにピッタリだったという山田康雄にルパン役をオファー。快諾した山田康雄は、1971年放送のテレビ第一シリーズから23年半もの間ルパンを演じ続けることになります。

ちなみにルパンといえば「ルパ~ンさ~んせ~」「ふ~じこちゃ~ん」というセリフがものまねでも必ず使われるほど有名ですが、あの独特のイントネーションは、山田康雄のアドリブから生まれたものだったそう。他のシーンでもアドリブが多かったという山田康雄は、自身とルパンのキャラクターを融合させ、一心同体といえるほどまでに確立したルパン像を作り上げたといえるでしょう。

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山田康雄と栗田貫一の関係は?

栗田貫一は、1995年4月公開の劇場版アニメ「ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス」からルパンの声優を務めています。

「ものまね王座決定戦」では優勝争いの常連で、「ものまね四天王」と呼ばれる栗田貫一は同番組でもよく山田康雄のものまねとしてルパンの声を真似ており、番組恒例の「ご本人登場」で栗田貫一がルパンのものまねをしている最中に山田康雄が現れ、2人でルパンを演じたこともありました。

栗田貫一は山田康雄が自身の還暦祝いで開催したゴルフコンペに招待されるなど交流があり、後日山田康雄から届いたコンペ参加のお礼状は、栗田貫一の宝物になっているそうです。

自分と振る舞いや風貌、さらには生きる姿勢や考え方まで似ていると語り、ルパンに深い愛着を持っていたという山田康雄。彼が長年大切に守ってきたルパン役を引き継いだ栗田貫一は、「山田さんならきっとこういう感じで表現すると思いながら、山田さんのルパンの匂いを少しでも出せるよう演じている」と、二代目としてルパンを演じる思いを語っています。

山田康雄の息子に栗田貫一がルパン役をオファー!?

山田康雄は1965年に結婚しており、子供は息子と娘が一人ずついます。息子の山田浩康は演芸作家として漫才の台本や落語の脚本、舞台の脚本などを手がけており、2006年に新作落語台本発表落語会の優秀賞、2012年には、上方落語台本大賞の優秀賞を受賞しています。

そんな山田浩康はさすが親子だけあり、父の山田康雄と声がソックリなのだそう。山田康雄が亡くなった後、二代目としてルパン役を受け継いだ栗田貫一がルパンをやってほしいと後継を頼んだほどだというので、相当似ているのでしょう。栗田貫一のオファーは断られたそうですが、どれほど似ているのか気になりますね。

「ルパン三世」はシリーズの中でも特に人気が高く、山田康雄も大のお気に入りだったという1979年公開の劇場版アニメ「カリオストロの城」をはじめ、今でも山田康雄がルパンを演じた作品が繰り返し放送されています。また、ルパンと並んで山田康雄の代表的な役となったクリント・イーストウッドの吹替え作品も、「ダーティハリーシリーズ」など多くの作品が、今もファンに愛されています。

声優は役者のジャンルの一部分で、声優という商売はないというポリシーを持っていた山田康雄は、アフレコや吹替えで演じるどんな役も声を作ったりせず、すべて地声で演じていたといいます。だからこそ、彼の演じるキャラクターは人間味にあふれ、長年愛されているのではないでしょうか。

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