ケン・ローチは現在まで2度パルムドール受賞を受賞している!代表作を紹介!
◆出身:イングランド・ウォリックシャー州
◆デビュー作:パーマネント・バケーション(1968年11月イギリス)
ケン・ローチは二度のパルムドールを受賞
イギリスの映画監督ケン・ローチは、労働者階級や移民、貧困といった社会問題をテーマに取り上げた作品を多く製作しています。
2006年6月公開の映画「麦の穂をゆらす風」で同年5月の「第59回カンヌ国際映画祭」パルム・ドールを受賞。13作品目の出品にして69歳で初受賞となったケン・ローチは、その後2016年5月にフランスで公開された「わたしは、ダニエル・ブレイク」でも、二度目のパルム・ドールを受賞しました。
長年にわたり映画界に多大な功績を残したケン・ローチは、2014年2月、「第64回ベルリン国際映画祭」でその実績が認められ、金熊名誉賞に輝いています。
ケン・ローチの代表作は?
ケン・ローチは1968年11月にイギリスで公開された長編映画「夜空に星のあるように」で監督としてデビュー。1970年3月公開の2作目「ケス」で「英国アカデミー賞」の作品賞と監督賞にノミネートされるなど、早くからその才能が注目を集めました。
1990年代には、労働者階級や移民を描いた作品を精力的に発表し、1990年制作の「ブラック・アジェンダ/隠された真相」(劇場未公開)、1994年1月公開の「レイニング・ストーンズ」で「カンヌ国際映画祭」の審査員賞を受賞しています。また、1991年6月公開の「リフ・ラフ」、1995年10月公開の「大地と自由」で「ヨーロッパ映画賞」の作品賞を受賞したのを機に世界的な評価を高めました。
イギリス国鉄の民営化によって起こったリストラなどの労働条件悪化をテーマにした2002年8月公開の映画「ナビゲーター ある鉄道員の物語」、アルコール依存や薬物による問題に揺れる人間模様を描いた1998年11月公開の映画「マイ・ネーム・イズ・ジョー」など、ケン・ローチは監督デビューから50年以上の長きにわたり社会の様々な問題にスポットをあて、その中で生きる人々のドラマを描き出しています。
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ケン・ローチの生い立ちやプロフィール!監督になるまでの経歴を紹介!
ケン・ローチの生い立ちやプロフィールは?
ケン・ローチは1936年6月17日、イングランド中部に位置するウォリックシャー州のヌニートンという街で生まれました。高校卒業後、イギリス空軍で2年間の兵役に就き、同国の名門として知られるオックスフォード大学のピーターズ・カレッジへ進学。法律を学んでいたケン・ローチはこの大学時代に演劇の楽しさを知り、コメディ劇団「オックスフォード・レヴュー(The Oxford Revue)」 に参加。この頃は俳優として演じる側でした。同劇団では、大学卒業後も演出補佐として携わっていたといいます。
大学を卒業したケン・ローチは1962年にイギリスの公共放送局・BBCへ入社。「The Wednesday Play」などドキュメンタリータッチのドラマシリーズで演出を手がけました。同作は大きな反響を集め、ホームレスに関する法律が改正されるほど社会にも大きな影響を及ぼしました。
ケン・ローチが監督として認められるようになるまで
今ではヒューマニズムを描く監督して世界的名声を得たケン・ローチが、現在の地位を確立するまでには様々な苦労があったようです。
1967年に長編映画「夜空に星のあるように」を制作して監督デビュー。労働者階級の少年を主人公とした長編2作目「ケス」が英国アカデミー賞の作品賞と監督賞の2部門にノミネートされ、映画人として才能が認められたケン・ローチの将来は前途洋々に見えました。
しかし、社会問題に対する市民の関心が低く、さらに政治的な検閲が厳しさを増したことが影響し、ケン・ローチは1970年代から10年もの間、不遇の時代を過ごすことに。そんな世間の風潮にも負けず社会問題を訴え続けた彼の作品は、1990年代になると再び国際的な映画祭で脚光を浴びるようになり、あらためて高く評価されました。
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ケン・ローチが「クローズアップ現代」で是枝裕和と共演!
ケン・ローチが是枝裕和に熱いエール
2019年9月17日にNHKで放送された「クローズアップ現代+」でケン・ローチと是枝裕和が対談し、映画ファンの話題を集めました。「是枝裕和×ケン・ローチ “家族”と“社会”を語る」とのタイトルで放送された同番組で、ケン・ローチはこれまで自身が手掛けてきた作品で貫いてきた信念について語っています。
「映画を通して、ごく普通の人たちが持つ力を示すことに努めてきた」というケン・ローチ。一方で、立場の弱い人たちを社会における被害者として描くことはしないと言い、貧しい人々の物語を好む特権階級が嫌う弱者に力を与える物語を伝えることが使命だと語りました。
「自分たちに力があると信じられれば、社会を変えるかもしれない」と熱く語るケン・ローチの言葉に耳を傾ける是枝裕和。番組制作会社でドキュメンタリー番組のディレクターを務め、放送批評懇談会が秀逸と認めた放送作品に贈るギャラクシー賞を受賞するなど、若い頃から社会問題を描く作品を手がけてきた彼にとって、ケン・ローチは映画人として最も尊敬する人物なのだそう。
柳楽優弥が史上最年少の14歳で「カンヌ国際映画祭」の最優秀男優賞を受賞した「誰も知らない」、同じくカンヌで審査員賞を受賞した「そして父になる」、日本人監督としては史上4人目のパルム・ドール受賞監督となった「万引き家族」と、海外でも高く評価される是枝裕和にとって、ケン・ローチの「あなたが映画で示してきたことは重要」という一言は、何よりも嬉しい言葉だったのではないでしょうか。
ケン・ローチが引退を撤回した理由とは?
2015年1月公開の「ジミー、野を駆ける伝説」で第一線から退くことを表明。しかし、世界に広がる貧困や格差問題を訴えるため再度メガホンをとり、2016年5月に「わたしは、ダニエル・ブレイク」を制作したケン・ローチ。同作が最後の作品になるかと思いきや彼は再度引退を撤回し、2019年5月公開の「家族を想うとき」を発表しました。
引退表明を再度撤回した理由について、ケン・ローチは「わたしは、ダニエル・ブレイク」制作時に取材した労働者の実態が頭から離れず、同作と対をなすテーマを浮き彫りにした作品が必要だと思ったと語っています。2020年で84歳を迎えたケン・ローチですが、現代社会に渦巻く様々な問題を鋭く抉りだす熱意が衰えることはないようです。
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