香川照之（市川中車）と父・市川猿翁、和解までの道のり！息子・市川團子の現在や親子の共通点は？

2022年6月13日 更新

香川照之、息子が悲願の歌舞伎役者へ！市川猿之助に「半沢直樹」で恩返し？

香川照之、息子が悲願の歌舞伎役者へ！元妻や娘との間に溝が？

香川照之（かがわてるゆき）は、2011年9月、46歳にして歌舞伎界入りを果たしました。その名も「9代目市川中車」。それと同時に当時10歳だった香川照之の息子も「5代目市川團子（だんこ）」を襲名し、歌舞伎役者になりました。梨園内部からの批判もあったようですが、45年にわたる父・市川猿翁との確執のせいで叶わなかった、「市川猿之助」の名跡を息子に継がせたいという香川照之の悲願がそこにはあったのです。

しかしながら、当時の香川照之の妻にとっては「梨園の妻」は青天の霹靂。主婦業の傍ら、勝手の分からない世界で、贔屓筋のあいさつ回りや公演のサポートに追われるという多忙に振り回されます。先輩の梨園妻たちから冷ややかな対応を受けることもあり、突如として悩みの多い日々に放り込まれてしまいました。香川照之の娘にとっても、突如両親が兄と歌舞伎につきっきりとなったことで影響があったと報じられていました。

こうした日々のなか、子供が大役を務めた「春興鏡獅子」の共演大物役者が、ブログで「只の駄馬」と酷評したことに対し、大きなショックを受けた元妻。とくに対応をしなかった香川照之との間に大きな溝ができてしまったようです。そして別居の末に、2016年12月14日に21年間の結婚生活にピリオドを打ちました。

香川照之、市川猿之助との関係！「半沢直樹」で恩返し？

香川照之と市川猿之助（二代目亀治郎）は、いとこ同士にあたります。市川猿之助といえば、2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」などのテレビ出演でも有名。香川照之は、1989年から俳優として活躍している映像の先輩として、市川猿之助の挨拶回りに付き添ったり、サポートしたりする仲だそうです。

しかし、いくら香川照之の父が市川猿翁（三代目市川猿之助）だからといって、香川照之の「息子に市川猿之助を継がせたい」という態度は、外から状況を見る分には、四代目である市川猿之助にとって喜ばしいことではなさそうなものです。

ところが実際は香川照之が息子と共に歌舞伎界入りを宣言した際に反対していた香川照之の父・市川猿翁に対して、市川猿之助が「自分は結婚する気がなく、いずれ香川照之の息子に明け渡すから、市川猿之助を継がせてほしい」と伝え、懐柔させることに成功したのだとか。

また、市川猿之助は初の舞台を踏んだ香川照之に「まだ歌舞伎を全く分かっていない」と辛辣ともとれる指摘をし「数をこなすしかない」とアドバイスしたそうです。これは、公私ともに信頼しあった同士だからこそ言える思いやりだったのでしょう。

2020年7月から放送された人気ドラマ「半沢直樹（2020年版）」では香川照之の強い推薦で市川猿之助が出演したそう。今作中の香川照之の決め台詞の1つが「施されたら施し返す。恩返しです」なので、もしかすると歌舞伎界入りを助け、アドバイスをくれる市川猿之助への香川照之流の恩返しだったのかもしれません。俳優そして歌舞伎役者としての顔を持つ香川照之と市川猿之助が「半沢直樹」の世界を盛り上げていました。

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香川照之と父・市川猿翁の和解！藤間紫との関係とは

香川照之と父・市川猿翁の和解、息子團子の近況は？

香川照之は、歌舞伎の名門「澤瀉屋（おもだかや）」に生まれ、母は女優の浜木綿子（はまゆうこ）という芸能サラブレッドとでしたが、3歳の時に父・市川猿翁の藤間紫（ふじまむらさき）との浮気によって両親が離婚。そのことで、梨園から断絶されてしまいました。

通常、息子は歌舞伎界に残ることができたのですが、自分より15歳も年上の妻子もちの女性に旦那をとられることになった母・浜木綿子のやるせない思いは息子への教育熱へと変換され、香川照之は常日頃から「父・市川猿翁や藤間紫より大物に」と歌舞伎とは無関係の形で彼らを見返すべく、発破をかけられて育てられました。

母の思いを汲んで東京大学に入学したものの、悶々とした気持ちを抱えながら25歳になった香川照之。勇気を出して父・市川猿翁へ会いに行ってみたところ「息子でも父でもない。2度と会うことはない」と冷たくあしらわれてしまいました。

しかしその後、香川照之の長男誕生などをきっかけに、父子関係が修復。2011年9月の合同襲名会見時には、8年ぶりに父とともに公の場で姿を現しました。香川照之の息子、市川團子は歌舞伎役者として熱心に稽古に励んでおり、香川照之は2019年末のトークショーで「昨日、團子は新春公演の稽古初日で、夜中12時まで稽古していました。自分とはまるで違う人生。高校1年生でよく歌舞伎に打ち込めるよね」などとコメントするなど、息子の熱心なけいこぶりに感心しているようです。市川團子がどんな歌舞伎役者になるのか今から楽しみにしているのは、ファンだけでなく香川照之も同じ気持ちのようです。

香川照之と父・市川猿翁の確執解消に藤間紫が動いていた？

香川照之の父・市川猿翁にとって、初恋の相手であった藤間紫。自分の師匠である藤間勘十郎の妻であったために市川猿翁は気持ちに折り合いをつけて、浜木綿子と結婚しました。しかし藤間紫を忘れられず、ある日、家を飛び出して彼女と暮らし始めます。そして藤間紫が他界するまで、50年に渡って互いを支え合い、2000年には入籍も果たしました。

父・市川猿翁と母・浜木綿子の関係破綻に巻き込まれただけなのに、なぜ父・市川猿翁は、香川照之に冷淡だったのか、そこには市川猿翁の藤間紫への気持ちがあったからではとも言われています。

しかし藤間紫自身は、歌舞伎界に関わることを望んだ香川照之の味方になったようです。息子、市川團子の誕生をきっかけに、藤間紫が香川照之と市川猿翁の関係を取り持ち、無事に父子関係が修復。これが香川照之の歌舞伎界入りへと繋がり、2009年の藤間紫の葬儀には香川照之も親族として出席しました。

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香川照之は「半沢直樹」で数々の名アドリブを披露！親子は歌舞伎界に新しい風を吹きこむ？

香川照之は「半沢直樹」で数々の名アドリブを披露！

香川照之は2013年7月に放送された「半沢直樹」の1作目に引き続き、2020年度版にも前回と同じ大和田暁役で登場。迫力のある顔芸と演技で視聴者を惹きつけています。

様々な名言が飛び出すことでも話題になっている「半沢直樹」ですが、香川照之演じる大和田暁からも数々の名言が飛び出し、その度にツイッターなどのSNSを騒がせています。2020年度版の第1話で登場した名台詞「施されたら施し返す。恩返しです」や、大和田が半沢に向かって喉をかき切るポーズをしながら「お・し・ま・い・death！」と迫るシーンなど、台詞はすべてアドリブだというのですから驚きです。

原作者の池井戸潤氏も、香川照之のアドリブには舌を巻いているとか。元々歌舞伎では「捨て台詞」と呼ばれるアドリブがあり、これがその役者の技量を測る物差しの1つになっているそうです。歌舞伎役者としての顔を持つ香川照之にとって、このアドリブはお家芸の1つといえるのでしょう。続編や大和田暁のスピンオフ作品への期待も高まっていますが、これからどこでどんな名台詞を生んでくれるのか、香川照之からますます目が離せません。

香川照之親子は多才で好奇心旺盛！歌舞伎界に新しい風を吹きこむ存在？

香川照之は「半沢直樹」以外にも、2020年1月にはテレビ東京系ドラマ「最後のオンナ」で皆川大介役を好演。映画では、2019年2月に公開された池井戸潤原作の映画「七つの会議」にも出演しています。

さらに昆虫好きという趣味を生かし、NHKにて「香川照之の昆虫やばいぜ!」という科学系子供向け番組を担当、番組内ではカマキリの着ぐるみを着た「カマキリ先生」として活躍しています。

2018年には、昆虫のイラスト入り子供服を取り扱う「Insect Collection（インセクトコレクション）」のインターネット通販や、香川照之とファンが交流するオンラインサロンなどの事業を手掛ける会社アランチヲネを設立。2020年には昆虫をキャラクターにした絵本シリーズ「INSECT LAND（インセクトランド）」を講談社より出版するなど、多方面で大きな活躍を見せています。

息子である市川團子もまた好奇心旺盛なところが父と共通しているようで、インタビューで「僕はやりたいことはひとつに絞らず、全部一緒にやってしまおうと考えるタイプなんです」と語っています。現在はプログラミング言語を学ぶのも楽しく、映像を編集して、歌舞伎のかっこいい場面を集めたりもしているとか。

歌舞伎界では少し異色ともされる香川照之親子は、その才能や興味を生かしつつ、これからの歌舞伎界を支えながら、歌舞伎の新たな可能性を導いてくれる存在なのかもしれません。

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