福井晴敏が小説家デビューした驚きのきっかけとは?代表作や受賞歴も紹介
◆生年月日:1968年11月15日
◆出身:東京都
◆代表作:機動戦士ガンダムUC(2007~2009年)
福井晴敏は遅咲きの小説家!?警備室で生まれた驚きのデビュー作とは?
福井晴敏(ふくいはるとし)は、小説、エッセイ、漫画・アニメの原作、脚本など多数の作品を手掛ける有名作家です。そんな彼は大の漫画好きで、小説などの本は全く読まない子供だったとか。また、映画好きでもあり、ノートの片隅にシナリオを書いたりしていたそうで、子供の頃から物語を作ることは得意だったことが伺えます。
大学中退後、警備会社に勤める傍らで執筆を始めたという福井晴敏。「とにかく暇だったから」という、やや拍子抜けするような動機が作家デビューのきっかけでした。
ビルの警備室で詰めている時に、「することがないから小説でも書いてみよう」と思い立ち、処女作品「川の深さは」を書き上げた福井晴敏は「江戸川乱歩賞」に応募。惜しくも落選しますが、その翌年に「Twelve Y.O.」で第44回江戸川乱歩賞を受賞し、1998年に遅咲きの小説家デビューを飾りました。
福井晴敏の小説は映像化されても凄い!代表作3本柱に受賞歴も紹介
福井晴敏の代表作品3本柱と称されるのが、「亡国のイージス」「終戦のローレライ」「戦国自衛隊1549」です。2013年9月公開のCGアニメ映画「キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-」や2017年2月から2019年3月までの2年間にわたり、全7章が特別上映された「宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち」シリーズで手掛けた構成、脚本家としての実績も素晴らしいですが、小説家としての代表作品は、この3本と言って良いでしょう。
「亡国のイージス」は「第53回日本推理作家協会賞」「第18回日本冒険小説協会賞」「第2回大藪春彦賞」を、「終戦のローレライ」は「第23回吉川英治文学新人賞」「第21回日本冒険小説協会賞」を受賞しています。3作品はいずれも映画化され、大ヒットしたことでも知られています。
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福井晴敏はガンダムのファンではない!?彼が真に敬愛するのは…?
福井晴敏とガンダムの縁を紐解く!ヤマトブームからガンダムブームも
福井晴敏を語るにあたって、ガンダムを外すわけにはいかないでしょう。彼とガンダムとの出会いは、福井晴敏が小学5~6年生の頃。当時は「宇宙戦艦ヤマト」のブームから、「機動戦士ガンダム」のブームとアニメが一大社会現象を巻き起こすほどの人気でした。福井晴敏少年はというと、「機動戦士ガンダム」の本放送前の予告を見た時には「ロボットとかはもう卒業」と、さほど興味が深かったわけではなかったといいます。
小学2~3年生くらいを境に、戦隊ヒーローものやアニメは観なくなるというのが当時の風潮でしたが、それを一変させたのがガンダムブーム。再放送を機に、一大ブームを巻き起こした「機動戦士ガンダム」は、“年が上の子でも観るアニメ”の先駆けで、むしろ観ている方が大人っぽいというほど。現在も子供から大人まで、幅広いファンに愛されている人気シリーズです。
後にガンダム作品に深く携わることになる福井晴敏とガンダムの縁は、少年時代のガンダムブームから始まっていたのです。
福井晴敏は“富野ワールド”の真のファン!ガンダムのファンとは呼ばせない?!
ガンダム作品を「観る側」から「作る側」になった福井晴敏は、往々にしてガンダムのファンとされることがありますが、深掘りしてみると、ただのガンダムファンではないことがわかります。
福井晴敏が真に敬愛しているのは、ガンダムシリーズを手掛けている富野由悠季(とみのよしゆき)で、ガンダムファンと限定するよりは、富野ワールドのファンと言った方が適切でしょう。「鉄腕アトム」の制作にも携わった、言わずと知れたアニメ界の巨匠・富野由悠季のガンダム小説に魅了されたという少年時代の福井晴敏。ガンダム小説は、みんなで回し読みするほどクラスでも大人気だったそうで、福井晴敏も富野由悠季の言葉選びのセンスに感激し、初めて作り手を意識する作品と出会ったのです。
小学生で、富野ワールドのファンとなった福井晴敏は、自身の小説家デビュー作「Twelve Y. O.」を献本したことがきっかけで、敬愛する富野由悠季と繋がることに。その縁が、さらにガンダムとの縁を呼ぶことになるのですから、驚きです。
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福井晴敏のシナリオ書き下ろし映像特典はファン垂涎!?「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ」
福井晴敏がガンダムを忘れた大人たちに向けた想いとは?
デビュー作を献本したことで、敬愛してやまない富野由悠季から丁寧な手紙でしたためられた生の感想をもらった上、対談まで実現した福井晴敏。その対談を機に、「∀(ターンエー)ガンダム」のノベライゼーションを手掛けることとなり、憧れの富野ワールド、ガンダムの作り手側のステージに進むことになります。その後、新たなるガンダムストーリーとなる小説「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」を執筆するという大役を担うまでに。
「機動戦士ガンダムUC」は映像作品となることを前提に書かれた小説で、ガンダム35周年を記念し、2010年から5年間アニメ放映されています。episode1から7までからなるこの大作は、ガンダムを忘れた大人たちへ向けた想いが込められています。
昔ガンダムが好きだった大人たちが、大人になった今だからこそ、海外ドラマを観るのと同じような感覚で楽しむことができるストーリー。「アニメは中高生のもの」という概念を覆す作品になっていますが、ターゲットとなる大人だけでなく、子供も夢中になる世界観が実現しています。
ガンダム40周年記念作品の豪華すぎる特典が話題に
そしてガンダム40周年を迎えた2019年9月に「U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ」が発売され、追加収録された新規映像特典はファン垂涎の豪華版ということで話題を呼んでいます。福井晴敏が書き下ろしたシナリオによる「機動戦士ガンダム光る命Chronicle U.C.」は作品の垣根を越えて再構成されており、新作パートや今までに見たことがないモビルスーツも登場するのだそう。
長く紡がれてきたガンダム史にまた新たなページが加えられ、次の可能性に向けての広がりが予感できる映像は必見。ガンダムと共に、可能性がある限りチャレンジを続ける福井晴敏が今後どんな作品を見せてくれるのか期待が高まります。
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