鈴井貴之がミスターと呼ばれる由来!「水曜どうでしょう」の人気が凄かった
鈴井貴之の愛称ミスターの由来!「水曜どうでしょう」で命名されたというが……
鈴井貴之は、北海道で活躍するタレントであり、大泉洋と出演したローカル旅番組「水曜どうでしょう」の企画を担当した放送作家です。「水曜どうでしょう」では、大泉洋に”ミスター”と呼ばれている鈴井貴之。その由来は、”ミスタージャイアンツ”と称される読売巨人軍の伝説的スター長嶋茂雄にありました。
鈴井貴之には、球団ならぬ番組の顔として、”ミスター水曜どうでしょう”という称号が与えられたそうです。当時の鈴井貴之は、大泉洋らが所属する劇団ユニット「チーム・ナックス」の所属事務所「クリエイティブオフィスキュー」の社長(現・会長)でもありました。そのため、”ミスター”には並々ならない敬意が込められているのだろうと勘違いしがちですが、実はそうではありません。
「水曜どうでしょう」の象徴といえば、企画の中で起こる”不運”です。目玉企画「サイコロの旅」では、旅路を決めるサイコロを鈴井貴之に振らせるたびに、不運の目が続出。さらに旅の道中でも、大泉洋やスタッフを不運に巻き込みます。こうした”引き”を持つ鈴井貴之は、まさに番組の顔。”ミスター”には、そういった意味が含まれているそうです。
鈴井貴之出演・演出「水曜どうでしょう」北海道ローカルから全国へ!今も絶えぬ人気の理由とは
鈴井貴之が出演・企画する「水曜どうでしょう」は、北海道のローカル番組でありながら、なぜか全国的な人気を集め、いつの間にか大泉洋をスターダムに押し上げました。2002年に番組が終了してからも、全国のテレビ朝日系列で再放送や単発新作が実施され、DVDが飛ぶように売れるなど、いまだに勢いが衰えることがありません。
低予算のローカル番組が、ここまで伝説視されるなど前代未聞。その理由は、低予算だからこそ挑まざるを得なかった苛酷な企画と、実に行き当たりばったりな体当たり感にあったといえるでしょう。その内容は、「サイコロの旅」然り、世界各地の過酷な地域を原付バイクで旅する様子をひたすら撮影したものなど、どうしようもなくダラダラしたものばかり。
何が面白いかと言われると、ほとんどの人が言葉に窮してしまうかもしれません。しかし、鈴井孝之の巻き起こす不運の連鎖や、豊富なボキャブラリーとギャグセンスで彼をイジリ回す大泉洋とのトリトメもない掛け合いが何とも言えない味を出しています。何か奇跡的に面白い、しかし、真似したくとも理由が分からない……分からないからこそ、飽きられることなく、人々の興味を引き続けているのかもしれません。
鈴井貴之自叙伝「ダメ人間」ダメダメだった20代から会社社長へ!
鈴井貴之自叙伝「ダメ人間」北海道のテレビを牛耳る成功者には究極のダメ時代があった!
鈴井貴之が設立した「クリエイティブオフィスキュー」は、北海道のローカル番組を牛耳る”奇跡の芸能事務所”と呼ばれています。「水曜どうでしょう」では、不運を一手に引き受ける鈴井貴之に、大泉洋が「この、ダメ人間が!」と罵る場面がたびたび見受けられますが、その実体は、北海道では知らぬ者のない成功者。しかし、20代の頃の鈴井貴之は、本当に究極のダメ人間だったといいます。
そんな鈴井貴之が、2012年2月に出版した自伝的小説のタイトルは「ダメ人間~溜め息ばかりの青春記」。本書では、鈴井貴之が29歳で改心し、「クリエイティブオフィスキュー」の社長となるまでのダメダメ時代が、赤裸々に綴られています。北海道大学の受験に2度も失敗した時点で、「人生のプランが終わった」と絶望したという鈴井貴之。その時から、彼のダメダメ人生が始まりました。
鈴井貴之は会社社長になってもダメ人間!ダメだからこそ気付いた成功法則とは?
鈴井貴之は、大学受験に2度も失敗し、3年目の浪人生活を送る中で、北海道大学に通う友人の誘いで参加したバンド活動にドハマリしてしまいました。辛うじて北海学園大学に合格したものの、今度は芝居と酒にドップリ浸かって、あえなく中退。芝居にかける情熱だけは熱く、28歳の時に旗揚げした劇団「OOPARTS」では、”札幌で1000人の観客を動員する男”として名を馳せます。
しかし、その頃の鈴井貴之は、かなりの暴れ馬だったようで、すすきのでのバー経営に失敗して多額の借金を抱えるなど、数々の危ない橋を渡っていたとか。就職・結婚と順風満帆な同級生を横目に、国民健康保険や年金の納付も無視し続ける生活は、鈴井貴之にとって後ろめたいものでした。だからこそ29歳で一念発起し、「クリエイティブオフィスキュー」を設立。しかし、社長となってからも、所属タレントのギャラを使い込むなど、ダメ人間っぷりに歯止めがかかることはなかったようです。
しかし、現妻・鈴井亜由美がそうであったように、出来が悪いからこそ、多くの人が手を差し伸べ、鈴井貴之を成長させることとなりました。自叙伝「ダメ人間」は、それに対する感謝が綴られるとともに、「ダメでも、とにかく生きよう」といった温かいメッセージが込められています。
鈴井貴之&大泉洋の次なる旅先は?「水曜どうでしょう」新作撮影予告にファン歓喜!
鈴井貴之が、2016年12月12日のTwitterで、「打ち合わせ終了。待ってろ大泉洋!」と呟きました。これには、「2013年4月以来となる『水曜どうでしょう』新作撮影の合図に違いない!」と、日本中のファンが大騒ぎ。現段階で、前回の「初めてのアフリカ」に続き、「次の旅先は南半球」とだけしか公表されていませんが、それだけで盛り上がってしまうあたりが、「水曜どうでしょう」の凄さです。
大泉洋の人気もさることながら、タレント、放送作家として、すでに伝説の人となっている鈴井貴之。「ダメ人間」などの作家活動や、劇団「OOPARTS」においては脚本・演出・演者を務め、さらに2001年からは、映画監督として4本の作品を世に送り出しています。
その溢れんばかりの才能と成功の裏に、あのようなダメ時代があったとは驚くばかりです。鈴井貴之は、「ダメだからこそ、人との出会いに恵みを感じられた」と言います。大泉洋が、全国区の人気者となった今でも、その名を恩人として挙げるのは、ダメだからこそ得られた器の大きさのためかもしれません。
そう言ってしまうと、”ミスター”が神がかって聞こえてしまいますが、「水曜どうでしょう」では、いちいち不運を導いてしまう残念さが全開です。ダメでも、不運でも進み続ける姿は、何だかとてもチャーミング。たしかに鈴井貴之の言う通り、”ダメ”は人を集める長所という気がします。