2023年1月5日 更新
和牛(お笑い芸人)は消えるのか?「最近テレビで見ない」印象のワケ
◆メンバー:水田信二、川西賢志郎
◆所属事務所:吉本興業
和牛が「ヒルナンデス」のレギュラーを卒業!
漫才の面白さに定評がある、お笑いコンビの和牛(わぎゅう)。コンビ名の由来は、ボケ担当の水田信二がバイトをしていた飲食店で1番高いメニューが和牛ステーキだったことから。和牛の2人の「1番になる!」との思いも、込められているのかもしれませんね。
そんな和牛はM-1グランプリを機にブレイク。2019年4月からは、「ヒルナンデス」で水曜レギュラーとなるも、2022年9月に同番組のレギュラーを卒業しています。「ヒルナンデス」は和牛にとって唯一の民放全国ネットのレギュラー番組であったため、住んでいる地域によっては、テレビで見かける機会がぐっと少なくなってしまいました。
しかし、NHKの「天才てれびくん,hello」や、地方ローカル局には引き続きレギュラーとして出演するため、テレビから卒業したというわけではないようです。
和牛のテレビ出演は期間限定の覚悟だった?これからは寄席が中心か
和牛の2人は元々漫才師として舞台に立つことを重要視しており、M-1グランプリ後にテレビ出演が増えたのも、一時的な状態と考えていた様子。「ヒルナンデス」卒業も、2人の希望だったのかもしれませんね。
ツッコミの川西賢志郎は2019年8月7日深夜のラジオ「和牛のモーモーラジオ」で、林修から聞いた、忙しさも期間限定だと思えば楽しめるという考え方を紹介。その言葉を思い返すことで、「頑張れる」と語りました。
また、2022年9月公開の「CHANTO WEB」のインタビューでは川西賢志郎が「寄席が一番大事」と発言し、水田信二も「理想は週3日働いて4日休む生活」と語っています。
「ヒルナンデス」卒業は、自分たちの望む働き方が定まって、シフトチェンジしていくことを示唆しているのではないでしょうか。
和牛のネタやすごさを深堀り!“へりくつ漫才”が若手芸人のブームに
和牛の経歴と受賞歴。上質なネタを生み出してきた確かな実績
和牛の水田信二は伊予高校を経て、神戸国際調理師専門学校を卒業。芸人になる前には、大阪の和食店や神戸の洋食店で料理人として修業していました。度々バラエティ番組でも料理の腕前を披露し、高い評価を得ています。
一方の川西賢志郎は大阪府立清水谷高校を卒業した後に、龍谷大学へと進学。お笑いのために中退し、大阪NSCへ入学したそうで、お笑いへの情熱を感じます。
そんな2人を引き合わせたのは、同期のバイク川崎バイクです。お互いが相方を探している時に、バイク川崎バイクが間に入ったことで意気投合し、2006年12月に和牛が結成されました。水田信二は何人もの相方と組んでいましたが、細かい要求にも真摯に答えられたのが川西賢志郎だったのだとか。
和牛は劇場に所属するまでは結成から1年半かかったものの、約2年後の2009年1月に開催された「第30回 ABCお笑い新人グランプリ」の決勝に進出し、頭角を現し始めます。
「オールザッツ漫才2013 ドリームジャンボ1分バトル」で優勝し、翌年の「第3回ytv漫才新人賞」では準優勝を果たすなど着実にステップアップ。同年に「第44回NHK上方漫才コンテスト」では堂々の優勝を飾るなど、華やかな受賞歴がネタ作りの実力を表しています。
和牛のネタをマネする若手が続出!松本人志も見つめたその実力
和牛は2015年から「M-1グランプリ」決勝に5年連続で出場し、3回の準優勝を経験。特に話題となったのは2016年で、敗者復活からの決勝に返り咲き、結果として準優勝となりその高い実力を世に示しました。
また、同大会以降、水田信二の理屈っぽいボケに川西賢志郎が振り回されるという“へりくつ漫才”をマネする若手漫才師が続出するなど、お笑い界全体にも大きな影響を与えています。
審査員だった松本人志は2016年の和牛のネタを見た後に、「優秀ですね」と一言。南海キャンディーズの山里良太が、過去に松本人志が絶賛したお笑いコンビは例外なく売れていると分析しており、実際に和牛は同大会でブレイクを果たしました。
毎月2本は新作漫才を作るという和牛は、その後も、異なるネタで同大会に挑戦。忙しい中で最先端ともいえる完成されたネタを仕上げられるのも、和牛のすごさです。1度手の内を見せた大会で、決勝に出場し続けられるというのは、並大抵のことではありません。
2021年3月には「情熱大陸」で密着された際には、話し合いを重ねながらネタを生み出していく、漫才師・和牛の裏側に視聴者も釘付けになっていました。
漫才の安定感は、バナナマン設楽統(したらおさむ)や博多華丸大吉の大吉など、数多くのお笑い芸人が太鼓判を押すほど。爆笑問題・太田光は、和牛の漫才を「名人芸」とまで評価しています。
和牛の魅力はやはり漫才!軸足はいつも舞台に
和牛のネタは、どれも完成度が高く面白いネタばかりです。さらに、「ボケだけでは表現しきれないことをツッコミが協力して表現する」という新たな漫才の手法も確立しました。
コンビとしての和牛のすごさは川西賢志郎の冷静さにもあり、大舞台でも冷静沈着なツッコミができる強心臓は、特筆すべきでしょう。
「M-1グランプリ」には、優勝者よりも、準優勝の方が忙しくなるというジンクスがありますが、噂通りに和牛は数年間、全力疾走してきました。
2022年9月23日公開の「映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!」で声優を務めるなど、お笑いと異なるマルチな仕事ぶりを見せることもありますが、やはりその軸は漫才です。
1年に約500回もステージに立つほど、漫才愛が強い和牛。今後も、漫才を極めつつ安定して活躍し、近い将来には、NGKことなんばグランド花月の看板となっているかもしれませんね。