岩谷時子と越路吹雪とともに歩んだ半生がドラマに!印象的な作詞フレーズと作品の数々

岩谷時子と越路吹雪との運命的な出会い!日本ミュージカルに寄与した功績とは?

岩谷時子がマネージャーを務めた歌手・越路吹雪との運命的な出会い!

岩谷時子(いわたにときこ)は、「恋のバカンス」や「君といつまでも」といった名曲でも知られる作詞家です。また、「愛の賛歌」で知られる伝説的なシャンソン歌手・越路吹雪のマネージャーとしても知られています。2人が出会ったのは、岩谷時子が宝塚歌劇団の文芸部に所属していた頃のことです。

新人タカラジェンヌだった越路吹雪が、自身のサイン見本を書いてほしいと文芸部を訪れた際に、たまたま相談に乗ったのが岩谷時子でした。運命的な出会いを果たし2人は親友となり、以後は大事なパートナーとして人生を歩むことになります。

岩谷時子が日本ミュージカルに寄与した功績とは?「レ・ミゼラブル」も!

大スター越路吹雪をマネージャーとして支えながら、作詞家としてもヒット曲を世に送り出してきた岩谷時子。彼女を語る上でもう一つ外せないのが、日本のミュージカルに多大なる功績を残したことです。海外でヒットした「ミス・サイゴン」「レ・ミゼラブル」といったミュージカルを日本で上演するにあたり、岩谷時子は、膨大な英語詞を日本語にする訳詞を担当しました。

英語詞を音楽に乗る美しい日本語の歌詞にするのは至難の業でしたが、岩谷時子は見事にやってのけています。これらの名作が、今なお繰り返し上演されていることはご存じの通りです。このように、岩谷時子が日本にミュージカル人気を根付かせた影の立役者の一人であることは間違いありません。

岩谷時子は加山雄三の「君といつまでも」も作詞!結婚せず生涯独身を貫いた

岩谷時子が作詞を手掛けた昭和の名曲をおさらい!

岩谷時子が作詞を手掛けた楽曲はいずれも名曲揃いです。昭和の頃にヒットしたにもかかわらず、今でもよく歌われています。たとえば、「幸せだなあ、僕は君といる時が一番幸せなんだ」の語りが印象的なのは、加山雄三が歌った「君といつまでも」。

「ため息の出るような あなたの口づけに」のハモりによる歌い出しが有名な歌謡曲は、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」です。「忘れられないの あの人が好きよ」というストレートで情熱的な歌詞が人気を集めた「恋の季節」や、郷ひろみのデビュー曲で、シンプルながら強烈な歌詞で印象を残した「男の子女の子」も岩谷時子の作品でした。

岩谷時子は結婚せず生涯独身を貫いた!本田美奈子とのエピソードとは?

2013年にこの世を去った岩谷時子は、結婚はせず、生涯独身を貫きました。1980年に越路吹雪が亡くなるまでずっとマネージャーを務め、その後も作詞家として活躍。晩年は、岩谷時子が訳詞を担当し、1992年に上演されたミュージカル「ミス・サイゴン」に主演した本田美奈子を、「越路吹雪の再来」と高く評価していました。

本田美奈子は2005年に白血病で亡くなりますが、彼女が入院した同時期に、偶然にも同じ病院に怪我で入院していた岩谷時子。無菌室で闘病する本田美奈子にボイスレコーダーで励ましのメッセージを送ったというエピソードが残っています。

岩谷時子は「愛の賛歌」訳詞が作詞家スタート!越路吹雪とともに歩んだ半生がドラマ「越路吹雪物語」に

岩谷時子が2013年に97歳でこの世を去ってから4年が経ちますが、彼女が遺した多くの歌は、今も人々の心にあり、さまざまな場所で歌われています。

岩谷時子は、人気作詞家として多くのヒット曲を持ち、多忙をきわめるようになっても、越路吹雪のマネージャー職を辞めようとはしなかったと言います。それだけ、岩谷時子と越路吹雪の絆は深く、2人の出会いは運命的なものだったのかもしれません。

宝塚歌劇団で出会い、戦争の苦しい時代を共に乗り越えて唯一無二の親友となった2人。越路吹雪が宝塚歌劇団を退団して東京で歌手として歩んでいくことになった時、岩谷時子は、マネージャーとして共に上京することになります。そうした中で、岩谷時子が作詞家としての道を歩むきっかけを作ったのも越路吹雪でした。

ある時、急な欠員のため、歌謡ショーのトリで、エディット・ピアフの「愛の賛歌」を歌うという大チャンスが越路吹雪に回ってきます。歌詞の意味が分からない英語やフランス語で歌うことに戸惑いを覚え、感情を乗せられないと悩んでいた越路吹雪の姿を見ていた岩谷時子は、詞を翻訳することを決意しました。

こうして、歌詞を大胆に翻案しながら、美しくも情熱的な「愛の賛歌」の訳詞を書き上げます。すると、越路吹雪が歌った日本語の「愛の賛歌」は絶賛を浴び、彼女の代表曲に。同時に、岩谷時子は、作詞家としての道もスタートすることになりました。

このように固い絆で結ばれ、運命をともにしてきた2人のドラマチックな半生は、これまで何度も舞台やドラマで描かれています。特に有名なのが、ピーターが越路吹雪を演じ、岩谷時子を高畑淳子が演じた舞台版ではないでしょうか。そして2018年には、テレビ朝日の帯ドラマ劇場でドラマ化されることが決定しました!「越路吹雪物語」と題したこのドラマでは、越路吹雪役を瀧本美織が、岩谷時子役を木南晴夏が演じます。

「越路吹雪物語」は、倉本聰が脚本を担当した「やすらぎの郷」や、黒柳徹子の半生を描いた「トットちゃん!」に続く帯ドラマ劇場の3作目。昭和の大スターである越路吹雪にスポットをあてることで、シニア層の心をつかむことを狙っているのでしょう。

岩谷時子を演じる木南晴夏は「皆さん口をそろえるように『上品なレディーだった』と書いていらっしゃるので、とにかく品のあるイメージを壊さないよう演じていきたいと思っています」と、余念なく役作りに取り組んでいるようです。
越路吹雪を語る上で欠かすことのできない岩谷時子の人生もぜひともしっかりと描いてほしいもの。ヒットの続く帯ドラマ劇場に新しい伝説が加わることを期待しています。

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