星稜高校に籍を置くピッチャー・奥川恭伸（おくがわやすのぶ）は、高校球児の一言で片付けるには少々収まりきらない圧倒的な将来性を備えています。身長は182cm、体重は82kg。見た目、そして堂々とした雰囲気とオーラ。高校生らしいあどけなさは、良い意味で拭い去られています。
奥川恭伸は、一体どんな力を秘めたピッチャーなのか？「欠点らしい欠点が、今のところ見当たらない」と業界者に言わしめる底力の秘密を紐解いていきます。
星稜高校在籍！奥川恭伸が放つ球種、その魅力とは？
石川県かほく市出身の奥川恭伸が野球を始めたのは、小学校に入学して間もなくの頃でした。地元の宇ノ気小学校に入学し、3年生に進級した頃に軟式野球部へ入部した奥川恭伸は野球の持つ魅力にみるみる取りつかれ、中学校から高校に進学した後も他のスポーツに浮気することはありませんでした。
中学3年の夏には、全国大会を制覇。150km/hのストレートを放つ右腕は球を扱うごとに磨かれていき、故障の気配も感じさせません。高校生はどうしてもメンタル面・体力面で粗が出てしまうことが多いものですが、奥川恭伸にはそれがない。その事実だけで、注目に値する逸材であることがわかります。
奥川恭伸のストレートは、常に最大の力で投げ込まれるわけではありません。時には相手に流れを与えないために三振を狙いにいく。場の状況を見て自分の力加減を調節するというのは、時にはプロでも難しいことでしょう。総じてピッチャーとしての基礎力は近年稀に見るものがあり、かつ、磨けば磨くほど光る余地も充分に残されている。すでに何人ものスカウトが奥川恭伸に目をつけているという話ですが、納得の一言です。
今後、さらに重ねていくであろう鍛錬によって自身のステージを上げていくことができれば、活躍の場は無限に用意されているに違いありません。それは、奥川恭伸というピッチャーを獲得したいチームと、多くの野球ファンが望むところでもあります。
プロフィールは？奥川恭伸の強さの秘密
星稜高校のエースとして、既にその名を轟かせている奥川恭伸。高校1年生の時点で最速146km/hのストレートを保持していましたが、なんと2年時には150km/hにまで記録を伸ばしています。奥川恭伸の最大の武器・持ち味はこの直球ですが、その他、スライダー・チェンジアップ・フォークボールという3種の変化球も使い分けます。
ちなみに、奥川恭伸にスライダーを伝授したのは、大阪桐蔭から中日ドラゴンズに入団した根尾昴投手なのだそう。U-18日本代表としてチームメイトになった根尾投手との出会いで、奥川恭伸は常に全力で投げるのではなく、幾分力を抑えたストレートでコースを突いて追い込み、変化球で仕留める投球術を学んだといいます。
かほく市立宇ノ気小学生時代、「宇ノ気ブルーサンダー」というチームに所属していた奥川恭伸は、星稜高校でもバッテリーを組む同学年の山瀬慎之助と運命的な出会いを果たしています。息が合うと分かるやいなや黄金バッテリーとなった2人は、様々な試合で活躍を見せるようになりました。
その後、共に宇ノ気中学校へ進学した奥川・山瀬の2人は、3年生の夏に「全国中学校軟式野球大会」に出場。念願の全国優勝を果たします。小学校の頃からの付き合いは未だ途切れることがなく、互いに力を引き伸ばし合う形で到るところで爪痕を残してきました。
「日本一になって、目指すはプロ野球選手」という夢も同じ。小学4年生から奥川恭伸の女房役を務める山瀬慎之助は、主将としてチームを引っ張る頼もしい存在でもあります。2人の固い結束が、星稜高校野球部をより強いチームにしているのでしょう。
星稜高校では1年生の春からベンチ入りを果たし、1年秋の大会からはエースも担うようになった奥川恭伸は同校を県大会優勝に導き。北信越大会でも3試合すべてに先発。留まるところを知らない快進撃に、業界関係者・対戦相手も「久しぶりにすごい投手を見た」と目を丸くします。
そんな奥川恭伸には悪いところなど見当たらないように思えますが、唯一の課題は下半身強化と体重増だそう。まだまだ10代の高校生、伸び代はないよりもあったほうが、今後の活躍に期待できます。
フォームは？凄腕の超速球が放たれる裏側
ストレートの速球が大の持ち味である奥川恭伸ですが、セットポジションからの変化球も得意だとのこと。2018年11月に行われた明治神宮野球大会では惜しくも優勝を逃しましたが、15回3/1を投げた3試合での失点はわずか1と、奪三振率やコントロールはもはや高校生レベルではありません。
小学校の頃から芽吹いていたスター選手の芽、そして山瀬慎之助とのバッテリーで開かれた甲子園への道。
「もっともっと練習して、進化して、全国のバッターと戦いたい」
奥川恭伸が抱く野心・夢が土台となる潜在的な強さは、今後もさらに磨かれていくことでしょう。
業界関係者・スカウトからもひっきりなしにラブコールが届いています。
「インパクトがある、来年以降が楽しみ」
「身体と精神のコントロールもすでにできている」
「高校生には見えない、こんな選手は見たことがない」
大絶賛の嵐が吹き荒れる中、本人はいたって謙虚。他の選手の得意ジャンルを冷静に分析し、自分に足りないものは何かを見極め鍛錬に落とし込んでいます。
2019年ドラフト会議の目玉選手として、各球団から熱い視線が集まる奥川恭伸。3年生になって迎える春のセンバツでも快投を見せ、石川県勢初の優勝を目指す星稜高校の立役者となれるのか、注目です。
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